MUKU-DATA  神代栃の切れ端

神代木は製材直後に材にした際、
まだ水分を含み乾いていない状態で乾いている桟木を入れて保管すると
神代の成分が乾いた桟木に抜き取られ、緑がかったグレー色からその部分だけ本来の木の色に戻ってしまう。
それを防ぐ為に、吸わないように桟木にサランラップを巻いたり、
その時挽いたまだ乾いていない同じ神代木を桟木にしたりする必要がある。
時々部分的に色が抜けた神代木を目にするかと思うが、
それは乾燥過程で何かしらのものでその部分が吸い取られてしまったことに因る。
写真の棒切れは、神代栃を製材した際にその神代栃から桟木をとり、桟木として使っていたものです。
桟木としての役割を終えて、肉の残った部分は部材取りして
何となく割れて曲がった切れ端を捨てずに残して置いたものです。
割れ、自然なネジレ、緩やかな曲線・・・
2500年前に埋もれ、この時代の巡りあわせで出会い、材として木取られた、残り部分です。
普通だったら焼却炉行きになる事が多いでしょう。。。
自然に捻じれた曲線、割れ、まだ息をしているかのように
地上の空気に触れ、出来上がった最終系の姿です。
この形をそのままにまだ少し肉の残っている部分の
鈍く輝く神代栃の杢を出してみようと考えています。
(けっこう、本気です。)

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