MUKU-DATA  杢引手(扉の木の引手)
時間あるときにいつでもいいからって、お付き合いのある木工屋さんに頼んでいた
扉の木の引手が数か月前にできあがってきた。
紙をくり貫きフレームを作り、割れや節などキャラのある部分の木取りをしたのが、
もう昨年の初めころの話で、
約1年以上経過してしまった。
けっこう木取りの最中は自身の中では盛り上がっていて、
こうがいいかな?こっちの方が見え方いいかなぁ・・?と
ソリッドな木の塊の取手の出来上がりを楽しみにしていたが、

時間の経過と共に少し熱も冷めかけていた。
鉄は熱いうちに打て!ではないが、
まぁそれはそれでヒートした頭を冷やし冷静にこれらを見れるので
時間の経過も、また良し と思っている。
これは弊社が扱う様々な材種の中で、割れがあったり虫穴があったり、
大きな部材取りした残り材であったりする材の中から
キャラのある部材を引手にしてみたもの。
材種は左から、黒檀、花梨、手違い紫檀、黒柿、欅、スポルテッド栃
この木取りの作業をやりながら思ったのは、
例えば花梨の欠点のない良材(杢のないもの)から作っても何ら面白みがないこと。
あ、キレイだねで終わる。
キレイな良材で木の引手を作るのなら形勝負、フォルムが大切なんだと思う。
このソリッドなぶっきらぼうな形だと、
そこに落とし込む素材のキャラが重要かなぁって思った。
ではキャラのある材のみ集めるってのは無理で本末転倒になってしまうので、
結局は沢山は作れない、
これはこの部材にいいかなぁ・・・って時にある程度まとまったら
製作を依頼する。。。=安くはならない。。
って感じ。
先日、工務店さんの社長がきたので、
この木の引手どう? 使えそう? いくらだったら使う?
って聞いてみたが、、、
いいやん、〇〇円!!
だよね、だよねぇ! (正直加工費にも到達しなかった)
この杢引手は、漠然と考えだして3~4年経過して漸く形になったものだが、
現実はそう甘くない。
他にも考えている木の事を、早々に形にしていき、
早めに現実に気づいた方がいいな、これ。

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