■ MUKU-DATA オブジェ丸太 神代栗 10/23 大手町にて
図面上では読み切れない空間っていうのはあるのかと思う。
特に自然木をそこへ取入れる際は
毎日、木を扱い、この木はこういった空間に入れるとこう見えるであろう。。とか
こっちの木はこういったところに使うのがいいのではなかろうか・・等
思考は常にそのような事を考えトレーニングしているのだが
想定外の事が起こり得る事が多い。
建築はそれを作る為の図面がないと始まらないので
先ず図面からとなるが
図面に記載されたサイズの木を使うには、
無垢材で丁度いい木ってのは滅多にないのでオーバーサイズからそのサイズを木取りして製作する事になる。
当然コストアップにもなるし、カットする事でその良さが失われてしまう事もある。
きっと現場の雰囲気、状況に応じて使う材のサイズや納まりを緩くしておいて
対応できる状態にしてあれば費用対効果の高いお気に入りの材を使える事が
できる事も多いのかと思う。
材ありきで臨機応変にその周辺の納まりを変更できるようにしておくという事。
ここの現場は木が好きなオーナーさんの意向で
そのように微妙に変更していった納まりがあった現場だった。
過去このような現場の空気感を読み取りながら
木を取り入れて室内を作り上げていく現場、会社とのお付き合いが2つあったが
そこで作り上げられる空間はどれも個性的で居心地の良さを感じた。
壁、天井との距離感、そこで使う素材、微妙な関係性を直感で感じ
作り込んでいくのだろう。
勿論、現場監督さんはじめ職人さんは混乱する。
仕上げ表、詳細施工図・・図面通りには進んでいかないのだから。。
オブジェ的な要素を兼ねた置台として
神代栗の輪切り3本合わせと欅の二股に分かれている丸太をご提案させていただいた。
コストは神代栗の方が3倍高い。
オーナーさん自ら丸太を動かしながら離れて見て、動かして、また離れて眺め・・
お店にご来店するお客様の目線で見ているのだろう。。
そんなことを繰り返し、まぁ一先ず位置決めが済み、
オーナーさんはきっとお客様の気持ちとなって入口から入店して
神代栗見て、頬ずりしてから室内へ入っていった。
えっ!? 頬ずり・・!??
周りのいたみんな爆笑の渦
木が好きなんだなぁ・・
木の気持ちも人の気持ちも知ってるんだって
思った。