MUKU-DATA  スポルテッドカエデ スポルテッドナラ

スポルテッド材・・ 一歩間違えば(間違わなくても)・・
それ、腐ってる材じゃん。。って言われればそれまで。
そう、朽ちかけの材に菌が這い墨流しのような黒い細い筋が縦横無尽自由奔放に
木の繊維を這いまわってできる自然な模様。

人の手では描くことのできないこの自然な黒筋模様に
どこか脳内を刺激される人も少なからずいる。

楽器に使われたり、器だったり、キッチンの面材なんかにも使っているメーカーもある。
最近はあちこちの木製品に使われているのを目にするようになってきた。
そうした価値観が変わっていく事は良い事だと思う。
とかく木の見方に関しては自分が良いって思ったものが良い。
それでいいんだと思う。

ちょいスポルテッド気味の傷んだ材をプレナー掛けをしている。
材種は楓と楢
ナラはなかなか材面が堅いせいか木を形成している繊維のせいか、
黒カビが表面に付着して中まで黒筋模様が浸透していない。
熟成期間が足りなかったのか・・・?
一方、楓、部分的には黒筋模様は浸透しているが、ふやけた部分も多く
傷み過ぎている印象。。。
きっと放置する季節や場所、期間の丁度良い加減がカギとなる。
自然を相手に自然に腐らせる、厳密に管理すれば、
激スポもそう難しいものではないのかもしれない。

現在プレナー掛けしているこれらスポルテッド材の見た感じの印象だが、
「スポルテッド」というよりは「ダメージ&クラッシュ」といった感じか。。
エージング加工をしたわけではなく
天然エージング=放置された材で割れや痛みが激しい印象。

なので「ちょいスポのダメージ材」っていう表現がこれらの材には合っているように見える。

こういった材は使い方なのでしょうね・・
ナラのピンホールなんていつも思うけどヴィンテージ感を演出するには
なんとも良い感じですよね。
勢いよくパーンって割れた感じもナラらしくて良いのではとさえ見えてくる。
割れもピンホールも黒カビもそのまま残しつつ巾ハギにしたら
テーブル、カウンターも個性的なものが作れそうです。。。
(作る人、大変そうだけど・・・)

「ダメージ&クラッシュ」ロックやパンクのようで
何だかカッコイイ感じもしますね。。

(因みに私事で恐縮ですが、毎日ほぼジーンズですが、これはダメージ加工されたカッコイイジーンズではなく、本当にただ単に穴が開いてしまったダサダサジーンズを着用?しております。どうか、こういった材をご使用の際はダサダサにならないようにご注意くださいませ)




こちらは楓、良い感じの黒筋模様もあるが痛みが激しいPUNK!

こちらはナラ、黒筋の模様は表面付着程度で中まで浸透していない。
熟成期間が足りなかったか・・・?
木口から大きく割れたり、ピンホールがあったりと
材屋のプロ目線でみれば一般的にはアウト!だけど
こういった材ほど、上手くまとめることができればどこにもない雰囲気のあるものに化ける可能性大かと。。

白い木は黒筋模様の這った痕が分かり易いので、
現在、榎(エノキ)の丸太を挽いて板を放置して観察している。