MUKU-DATA  ハイスツール 特注品 材:桜

先日、学生さんたちが出来上がったハイスツールを見せにきてくれた。
研究室ではスタンディングワークを取り入れ集中力を高め作業効率を上がているらしい。
えぇ~立ちながらパソコン?なんて考えた事もなかったが
長時間、座ったままの作業は集中力が途切れたり
腰痛や肩こりなど健康リスクも指摘されているらしい。

そういえば過去に電動昇降デスク用の天板を無垢にしたいと
何件か言われたことがあったなぁ・・

そういう自分自身も約1年前に両手の指先がビリビリと痺れるので
診てもらったら近年多いストレートネックからくるものらしく
パソコンのモニターを10cmほど上げる事で少しは解消している。

この度、先輩が卒業するらしくその贈り物として
スタンディングワークでちょっと考える際に寄りかかれる程度の
ハイスツールを、自分たちでアイディアを出して
材木を選んで製作しようという事になって相談を受けていた。

国産材、片耳付き座面、できれば新潟の木、など
弊社では製作する木工所さんをご紹介させていただいた。
座面も弊社に丁度いい適材がなかったので木工所さんが持っていた
村上市産の桜材が使用された。
桜とはいうものの通常良く目にする染井吉野とは違っていて
多分、朱里桜ではなかろうか?と思う。

現代の人たちは数ある出来上がった膨大の商品の中から
それに見合った1品を見つけ出す作業は皆さん得意かもしれないが
ゼロから作るとなると・・・ 
全て自分たちで行う必要があり、また出来ない作業は人にお願いしなくては
いけない事になる。
図面を描き、木工所へイメージを伝え
安定性、丈夫さ、一番ベストな高さ、・・・・そして予算以内と
考える事ばかり、、 考えなきゃいけない事だけで
はじめなければ何も進まない。
選ぶ作業とは何十倍も労力は違ってくる。
社会人は時間の中で作業性、お金を考えて動いている(お金だけではないが)から
なかなか時間の調整もつかないし思った通りに事は運ばない。。
そんな中で、ゼロから製作して人を動かして一つの物を作ることが
いかに大変であるかという事を感じたんだと思うし、
きっと先生もそこを狙って、製作してみては?と提案されたのではなかろうか?
と思っている。
木製品に限らずに次回、また新たに何かを製作する際は
きっと今回の事が役立つだろうし、応用できるのかと思う。

お世話になった先輩への想いとそこにかけた時間、
どこにもない素敵な贈り物になったかと思う。