■ MUKU-DATA  黒柿(くろがき)

痛んでいる黒柿の木取りをしました。
縞杢でもなく、孔雀杢でもなく、真黒でもなく、
何杢といったらいいのでしょう・・
割れ、大きな抜け節、あちこちに痛みがあります。
痛んではいるけど、部分的には杢目もあって、
眺めていると面白いです。

白の部分にもうちょい、黒が欲しいからと
少しづつ黒が出るまで白太を削っては眺め、
削って、また眺め・・
もうちょい削るともっと景色がよくなりそうな感じもあったのですが、
厚みがなくなるので、これでギリギリ。

昨日、まったく別な用事でお菓子屋さんへ行った際に
誰もいなかったので喫茶室で、和菓子とお茶をいただいたのですが
(普段は和菓子などチンプンカンプンで抹茶という柄でもなく、たまたまそうなった。
そーいえば、外で和菓子なんて食べたのは生まれて初めての経験だ)

そこに掲げてあった横長の白いパネルにフニャフニャと書かれていた字、
なんて書いてあるかは読めず、記号のようなんだけど、
無防備に眺めていた心の琴線にクゥ~って訴えかけてくる。
ん?あれ?、おぉぉぉ・・って感じ。

無意識で無防備な時に突然やってくるあの感覚。
(木に関してはもういつも意識しているから
本当の意味でのこの感覚はもう味わうことはできないだろうけど)

白地に黒、余白、線の強弱、柔らかさ、時に力強さ・・
自然が作り出したこの黒柿の模様よりもいい感じだなぁ・・って
前日の木取りのことを思い返していました。

変に知識がなく真っ新ってのはいいことだなぁ・・
なんて思ったり・・

あのフニャフニャした記号のような文字は
自分にとっては、何かしらうったえかけてきて
どこかに触れるものがありました。
(それを書いた人のことは何もしらない)

削ると大鋸屑も白と黒




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