MUKU-DATA  左から黒柿、黒檀突板貼り、神代欅柾目

床の間に敷く黒檀突板貼りの3×6の板の前框材として
何が合うのか・・?
使う箇所のメインの材が決まると、それに付随する周辺の材の想定が始まる。
まぁ、通常であれば黒檀の突板なのだから黒檀の無垢框を無難に取り付ければ、
無難に納まり80点代かと思う。
部材の条件として長さは1500mm 巾170mm 厚みは薄くても可

問題は仕上げで巾170mm以上
限られた全体予算の中で、黒檀の黒の部分のみで180mmの粗木となると
金額の負担が大きすぎる。。。

このように相談されている部材というのが、常に数件あって、
これ使えば、合格点なんだろうけど、その予算じゃ通らないよね・・っていう案件
なので別な仕事をしながら、常にそれらも同時並行で頭ん中で考えている。
移動中の車の中、風呂の中、寝る前のベッドの中、
確か、倉庫に傷んでいるけどあの黒柿だったら、
黒檀無垢よりももっと雰囲気が出るんじゃないか?
きっとイケる。。。

翌日、木材倉庫で一人、黒柿材の材の選定が始まる。
数枚ある黒柿の中で、どちらが映えるか?
この材のどの部分の木取りして使うのが最もいいか?
黒柿材の木取り後に使う箇所をある程度決め、実際に使用する黒檀突板に現物を合わせてみる。
瞬間、こりゃイカン。全く合わない。。白が浮く。。軽く見える。。

部材単体で見れば黒檀に黒柿、、和の室内に使われる事で
なかなか通好みの材に思えるのだが・・
合わせた瞬間、一瞬でパス、ありえない・・折角の渋い材が軽く見えくる。

急遽、漠然ともう一つの候補として考えていた神代欅の柾目材
こちらも横に並べてみた。
絶対に良いとは言えないが、その控えめな柾目と地味な加減は
黒檀を良く見せてくれるように感じた。
誰が見ても、黒柿より神代欅柾目の方がシックリいくように見えるのか思う。

この神代欅、きれいすぎる仕上げではなく少し斜め部分とラフな鋸目を残し
框材として如何でしょうか?と提案させてもらって、それで落ち着くことに。

毎日毎日扱っている材、
部材単体ではそれぞれに特徴もあり、それだけ見れば面白い材であっても
材同士の組合せとなると見え方が急に変化する。
日々部材ごとの組合せ作業はやっていることなんだけど、、
やはり木材は難しい。
実際に現物と現物を合わせてみると思わぬ見え方になっていく。

まだまだ経験と修行が足りない。
設計士、現場監督、施主、材の相談をされた際に、
金額以上の提案をし続けられてこそ、プロと言えるだろう。。。

イカンなオレ。。。 
(その組合せセンスの恥を知れ だな・・)

良材の黒柿ではないが、色んな面白い木目や模様になっているんですけどねぇ・・・

こちらは神代欅の柾目、この斜めの部分を一部残し、帯鋸目の残るラフ仕上げとした。
あなたなら、黒檀突板に何の床框を合わせますか?
条件としては仕上げサイズ1500 170×20mm程度 予算30,000円以内 
安ければ安いに越したことはありません。
180mm角の黒檀床柱を割りますか? 残りいくらで販売しますか?
因みにシャム柿も全然ダメでした。。。
難しいでしょ? 
現場は常に進んでいるので限られた予算内と限られた納期内での作業となります。