MUKU-DATA  S字栃 一枚板  未乾燥
たしか昨年末頃だったかとは思うのですが、
シバタヤ用のS字の栃が市に出てたので買っておいたよと名古屋の業者さんから連絡をもらった。
写真で丸太は見ていたので、
あぁ・・あれ挽いたんだぁ・・よくあんな形の変形挽いたよね・・デカいし大変だったろうね・・
S字丸太にH社長が馬乗りしている画像は目にしていた。
先日他の材と一緒に運ばれてきて木材倉庫に立てかけた。
際の方で傷みはあるが、(痛みのない中身部分は結構な値段で買われたらしい)
まぁ半分はお遊び程度なので猫屋新発田屋的にはこれ位の方が丁度良い。
しかし・・よく挽いたよねぇ・・
製材機にこの形の丸太をセットするの大変だっただろうねぇ・・と
同じ製材業者として関心する。
見ていて楽しい気持ちになってくる。
全長3.7mもあるんですよ。
こんなテーブルがあるカフェ、BAR、保育園、広ければ自宅にだって・・
この木を囲んでワイワイしている姿を想像してみる。
オフィスにだって息抜きには十分過ぎるほど気分転換できるだろう。
自由奔放に育った栃、あっち行ってこっち行って・・
いいなぁ・・って思う。
杉と言えば直材、枝打ちされ間伐され真っ直ぐ上に伸びていく。
なんでそのように手を掛けられてきたかといえば、
建築資材として都合がいい材を作る為
製材し易く、柱、梁、タルキなど挽いた時に真っ直ぐな木は製材し易いし
材にしても曲がり難い。
そう人間にとって都合がいいよう作られてきたもの。
でも行ったことはないが、例えば屋久島の杉や佐渡の杉原生林など
自生している杉はグニャグニャと自然に逆らわずに成長を続け
その姿には心惹かれるものがある。
腕を落とされ、口を塞がれ、都合がいいように大きくして、
使い捨ての資材とされる。。。
木もそうだけど何だか人に対してもそんな傾向があるようにも思える。
そこ辺りを突き詰めていくと矛盾だらけになってしまって、
商売なんてやめて、とっとと山に籠って木になるしかないので思考をストップさせてしまうのですが・・
何でもかんでも都合だけでいったら、おかしくなるよね。。
のびのびと育ったS型の栃を見ていると、
未来の子供たちの事を思ったり、量産使い捨て経済の事を思ったり、
この木は色々と考えさせてくれるのです。
曲りのある部分、負荷が掛かった周辺、節の周り、
そこ辺りの杢目はどの木も面白い模様が現れる。
その木だけが持っているキャラクターとしてそこに存在する。
困難に対して抵抗して踏ん張って生きてきた証
(人も同じですよね。。
空想製材しながら断片をみるとキラキラと輝くもの、誰もが皆さん持っていますよね)
杢のある部分を解体して部材取りしても、面白い材が取れそうなのだけど、
やっぱりこれはこのままのS型でどこかに使って欲しい一枚だなぁと思っています。

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