MUKU-DATA  木の置物  欅かと思われます

こういった類のものはきっと昭和50年代頃まで多くあったように思う。
流木とは違い、腐らせた根っこや枝の赤身部分を残し磨き上げ、
剥製の止まり木や床の間の飾り物として、木を愛でてきた昔の人たち
すっかり目にしなくなったが、
中にははっとするような絶妙なバランスで残っている枝があったりする。
何日も手を掛け磨き上げられたこうした物たち、
そのほとんどは廃棄処分されたことでしょう。
実際に作ってみようと思っても、根や枝を枯らし白太を取り除くまで数年、
そして毎日眺めながら少しづつ磨きあげる時間。。
無名のこれを作った人の感性を垣間見る事ができます。
(たまたま偶然だったかもしれない)
これこそ緑豊かな自然に囲まれ木と共に歩んできた日本人の
究極のプリミティブアートなのかもしれないなぁ。。
倉庫で作業をしていたら、顔見知りのインテリアに精通したプロで40前後の男子
これ、久々気持ちに響くと言っていただき、譲り渡した。
売り物ではなく自分の物として取っておくとの事。
苔を付けたり、草を活けたりするものにしようかな・・と言っていた。
そういった微妙な感性を共有できるのは嬉しい事、
やっぱりこれいいよねって内心、確認できた。
こういった類のものを含め、変木、和室部材、失われつつある絶滅危惧材を
少しでも残し、いいんじゃない!って次へ繋げていくことも
大事な仕事の一つとして捉えています。

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