MUKU-DATA  欅 天然乾燥材 プレナー加工済み
           SIZE : 2000 750-960-1000 t108mm

この欅、弊社へ来てもう9年経過した。
昔、欅は使えるまで5年じゃまだまだ、10年は寝かせて天然乾燥させないと
と言っていた職人さんがいて、、10年って・・・(そんなに長く~)と
思っていたが過ぎてみればあっという間だ。
まぁこの欅に関しては待ちに待った10年ではなく
厚盤だったのでどう料理しようかなぁと手を付けずにいたので
結果10年近く経ってしまったのですが・・・
「木は乾燥してなんぼ、寝かせれば寝かせるだけ癖が出尽くして
材としての価値はあがる」とは言われていたし、実際にそうは思っているが
その目に見えない時間というものは価格には反映され難い。
5年先、10年先なんて、今の世の中どうなるこか想像できない変化の時代。
馬鹿げた商いをやっているものだと内心思ったりもするのだが
やはり木が好きで木に泣かされ木に助けられ、
木を通じて多くの人たちとご縁をいただけるから飽きずに細々と続けさせていただいている。

さて、この欅
中心から半分に杢が多く入っている。
生きていた頃、片側だけ枝が多かったことが想像できる。
残念ながら白太部分は寝かせている間に虫にやられてしまったが
元々、欅の検寸は赤身のみ、白太は虫にやられるのが当たり前だったし
弱い部分なので使える部分の材として勘定に入れていなかったと聞く。
昔の建物で言えば、欅は広縁の板、床の間板、違い棚、書院天板など
格式の高い部分に使われたので未来永劫長く状態をキープする為に
耐久性の弱い白太部分を取り除き、赤身一双で使用したのだろう。
今は、耳付き板が求められる事も多いし、
赤身と白太のコントラストを好む人も多いので白太耳付きの需要も多い。

この欅は小さな虫穴が多く開いているので
耳はストレートカットして落とした方がいいかもしれない。
例えば2000×700mmほどの長方形の盤にしたら片寄せの杢は更に際立ち
面白い厚盤となるかもしれない。
厚みは108mmあるので半分に割ってブックマッチもあり。
決して良材とは言えない欅ではあるが
片側のみ集中した杢は、使い方次第では面白い見え方となるだろう。。