MUKU-DATA  茶神代欅 2200 120~360 t30mm SOLD OUT 新潟市T様

昨日出荷前の茶神代欅を木津氏が手入れをしていたので(オイルとササクレ部分のサンダー)
見てみたら、深みのある色合いと艶で凄く良くなっていた。
これは小さめで薄い辺材付近の板だったので扁額や看板なんかに良いかなぁ・・と
削らずに立て掛けておいたもの。
辺材部分の耳の残り方も自然な感じだったし、茶神代欅だったので
きっと仕上げたら良くなるだろうなぁ・・とは想像していたが
想像以上にいい雰囲気を醸し出していた。

神代木は色の薄いものから濃いものまで状態はさまざまだが、
どちらかというと濃い色を好まれる方が多いように思う。
用途にもよるのだろうけど長く地中に埋もれた埋れ木は名前負けしないほどに
重々しい色の濃いもの・・が有難がられるのかもしれない。

以前、銘木匠と話している中で
色の濃い鳥海山神代杉で和室1室の天井回りをまとめたことがあるらしいいが
その際の見え方は暗すぎて天が重すぎる感じがするので
茶神代辺りを使った方が落ち着きのある和室になったんだろうね・・
という言葉を思い出す。

要は用途なんだと思う。
東本願寺の大虹梁は阿賀野川から出た神代欅が使われているらしいが
写真で見た感じでは茶神代欅だったような記憶がある。

茶神代は、ぱっと見は普通の欅と何が違うの?に近い色だけど、
やはり全然その色合いは違っている。
微妙な色のグラデーションに少しグレー掛かった艶のある材面は
やはり通常の欅とは違う。

とかく「分かり易い」ことの方が材木以外でも全般に好まれるのであろうが
ん?何この微妙な色合い・・・?って
さりげなく使われていることの方が嫌味もなく通好みなのかもしれない。
あまり前へ出たがらない、目立ちたくないという新潟県民性にも
どこか通じるようにも思えたりする。

茶神代欅ならではの使い方、見せ方、その良さがあるのかと思う。