MUKU-DATA  床の間敷板:玉椿(浜栴檀) 伊藤純一アトリエ

8月に納めさせていただいた栗の一枚板、立礼卓に使うらしく、
大工さんが加工した天板に、鉄脚を付けて欲しいと再度持ち込まれた。
オイル塗装をして鉄脚を取付けて、現場へお届けした際に、
完成した茶室を見ることができた。

あの玉椿はどうなったんだろう?
あの天井材はどんな感じに見えるんだろう?
あの柾目板、建具にどう使われたか?
と、材を販売して、それがどう使われどのようになったのか見れない事も多いので
やはり出来上がりを見れる事はありがたいことで大切だと思う。

床の間地板:玉椿、天井:9尺無垢天板目、立礼卓:栗一枚板、式台:杉柾目、
建具・家具材:杉赤柾目、・・・
建具の腰板には枌板も使われ、幕板には神代タモがさらりと取付けられてある。
弊社の木材倉庫に眠っていた材が、このように活かされ使われ輝いているのは
とても嬉しくありがたいこと。
派手ではなくどちらかと言えば地味な渋めの材を要で使っているので
通好み、材の良さが空間を引き立ているように感じた。


この床の間の板、浜栴檀(はませんだん)という木なのですが、
一部数寄屋建築業界では玉椿(たまつばき)で当たり前に通っている。
しばらく前にこの材が浜栴檀だと分かった際に、玉椿(たまつばき)から名称を浜栴檀に変え、統一してハマセンダンという事にしたのだが、
それからしばらく日が経ち、やっぱ、これ玉椿っていう響きの方が美しいし、
もう数寄屋建築の世界では玉椿って言われて定着しているので、
やはり玉椿(=浜栴檀っていう名の木ですけどね)って言い方に戻そうかと思う。
建築資材としては玉椿、数寄屋建築部材以外での使用の際は浜栴檀、
何だかややっこしいみたいだけど、そっちの方が自分自身はしっくりするので、
玉椿復活としよう。。。
例えば、シャム柿、シャムって定着してるけど、本当はジリコテみたいなもんかな・・

栗一枚板の立礼卓
穴開け等の仕上げ加工は大工さんが行ったようで、
そこに脚を伊藤さんがデザインして、弊社でオイル塗装、脚を鉄工所へ依頼、取付を行った。
オイル塗装すると栗らしい木目が浮き出てきた。

建具腰板には枌板が使われている。

茶室への式台:杉柾目片耳残し  ピンぼけしてしまったが・・・

何気に、神代タモ・・・

お茶、やっときゃ良かったなぁ・・と常々思ったり・・・
伊藤さんはやってるらしい。。

熟知してれば、もっと別視点で材のアプローチ、ご提案ができるんだろうなぁ・・と。。