MUKU-DATA  白い柿に黴 製材後1か月経過した柿

約ひと月前に白い柿を製材して桟を入れずに
他の仕事に追われ後回しになっていた柿の手入れを昨日、漸く手を付けたのですが、、
外から見ると何もなっていなかったのに
どれどれと板を捲ると、、、ガーーーーーン・・なんと黴だらけ。。
そりゃそうだよなぁ・・
6月末から昨日までの梅雨時の真っ只中、、
昨日、一昨日と外で作業しているとTシャツはずぶ濡れ状態・・
海パン一丁で作業したい気分だもんね。。
この時期の丸太から製材した木材は菌類、微生物類の温床だよね。。

昔、赤松類の野縁・胴縁など自社で製材していた頃なんて(30年ほど前)
赤松に限らず、杉も米松もそうだったんだけど
この時期の製材はもう嫌だったもんね。。
材が黴で黒くなって。。。
特に赤松(ロシア材)はあのキレイな黄色が真っ黒になってしまって・・
大工さんによく怒られて返品されたものです。

その後既製品に変わり、大体今使われている材木類は殆どが
防虫防カビで浸漬処理その他をされているから
黴は出てこなく見た目はいいですよね。

木材って乾いていれば問題ないんです。
丸太から製材した直後でも桟入れたり立て掛け等して風通しを良くしておけば
菌類は寄り付かない。。
ある程度、材木内の水分が抜けていけばその後は自ら調湿作業を行うので
健全な状態をキープしていく訳で。。

最近、好まれるスポルテッド材なんかも
この菌類の類で、料理される方なんかでスポルテッド材を使いたいという方には
「これ黴とか菌類の這った跡ですよ」と説明はさせていただいている。
(乾いてしまえば材面にできた模様の跡なので表面上はそう問題はないのでしょうが・・)
矛盾していることが多いというか、、
表裏一体というか・・
虫のつかない野菜、果樹はないと同じでどの木も殆ど虫は好むし、、。
数寄屋建築に使われる錆丸太ももしかしてこういった油断した事がきっかけで
錆って素敵でしょ?みたいにしたのかなぁ・・
だったら天才的だな・・
実際に人では作れない模様だしね。。
錆丸太に倣って、錆板って言ったら聞こえはいいか?

今回のこの黴画伯の模様が仕上げたらどうなるのか・・
因みにスポルテッド材や黴画伯のグラデーションなど狙い
実験的に白い柿や白い榎など冬場に製材して桟を入れずに屋外に放置している
板類の山が何山かあり時々板を捲って熟成度合いを観察しているのですが
こちらは挽いた時期が悪かった・・
確か冬場の乾燥した時期に製材してゆっくり乾いていったので
(通常の材木であればこの時期に製材してゆっくりと乾かすことが良いのだが)
朽ち加減があまりよろしくない。。
こういった材をつくるのであれば、6月中旬に製材して風を通さずに熟成させるのが宜しいかと思います。。ハイ😓


この白柿はちゃんと乾かそうと思っていたんだけど油断してたなぁ・・
白柿が一瞬見た目、黒柿みたいに見えるものに変わってしまったわ。。😓

一応ね、期待をこめて
皮を剥がして割れ止めを塗っておいたけどね。。
削ったら素敵な材面が出るといいんだけど、、これはあんまり期待はしていない。





黒柿みたいだけど違うからねぇ~




題名『絶望の先に・・ごめんね柿』 画:黴木菌太郎 キャンバス:白い柿 2022 0727作