MUKU-DATA  ホワイトアッシュ材

ホワイトアッシュ、商品を陳列する棚板にするらしい。
『巾は370×厚み27mm』
このなんてことのない寸法がホワイトアッシュ材の梱包を扱っている業者さんであれば、これが案外難しいと理解していただけるだろう。
広葉樹平割材は大体1バンドル、2㎥前後の山になっており、
その中で色々な巾が入っている。
厚みに関しては 4/4(25.4mm)、5/4(31.8mm)、6/4(38.1mm)、8/4(50.8mm)
大体は厚みの薄いものは巾も狭く厚くなるにつれ巾のあるものが入っていることが多い。
例えば階段材の踏板となると仕上げ寸法で最低240mm以上、250mm仕上げも多いが、
削り代を足すと250~260mm以上の板が必要になってくる。
38.1mmの梱包の中で250mm上となると数枚程度しか入っていない山も多いので250mm上を確保することがなかなかできない事も多い。
もし、頻繁に階段材の無垢を使用するのであれば、
ある程度材種を絞り、階段用として丸太から製材してそれ用で確保することがいいのかもしれない。
今回棚板用の370×27mm 300mm上が数枚あったので
その中で一番巾のある380mmから木取りした。
厚みは38.1mm→27mmへ歩留まりは少々悪いが致し方ないだろう。
上記の厚みと巾の関係は広葉樹板目挽きに関して言えば
巾がある板は反り易い、厚みが薄ければ尚さら、、という理由から
薄いものは巾のないものが多いという梱包になっているのだと思う。


もう1点、アッシュとは真逆のようなピーラー材も選定した。
こっちは柾目挽き(ピーラー材は基本柾目枠材)
用途は格子組の建具
ピーラーの最大の難敵はヤニ
建具表から建具框、格子材と建具屋さんが木取りできる必要枚数を材をみながら
選び出す。
建具屋さんへの納品の場合は、細かな木取りはこちらでは行わずに
それが取れる分だけの平割板を納めることが多い。
その板を、建具屋さんの方で必要部材として細かく切ったり割ったりする。
立掛けた多くのピーラー材の中から
もし木取りするならば・・と建具屋さんの事を考えて材を選び出す作業となる。

このように用途、納材先、材の特性によって
材木屋として材を選定する際は様々な角度からの目が必要となってくる。
材木屋になりたての頃に、諸先輩方の多くから材木屋はなかなか大人になる事ができない業種だからと聞いていたが
これは様々な材種、用途、お客様への適材を選び出す目は10年程度じゃ
まだまだ全然だよという意味だったことを今、肌で感じている。

お客様が求める要望、、 これに日々真摯に向き合い
今できる最大のプロとしての目で、「これです」とお届けする作業を積み重ねていくこと。
材木屋はなかなか大人になれないよと言われ毎日材木を触って30年が過ぎ
50代半ばとなり、漸く少しだけ材の事が分かりかけてきた今、
材木屋としての目があまり必要とされていな現状は残念なことだと感じている。

まぁこのことに関しては我々の業界以外でも同じような事になっているんだろう。。





こちらはピーラー材