MUKU-DATA 桜一枚板座卓 2400 700-710-670 t50mm SOLDOUT


畳間に座卓を・・と探しに来られたお客様
はじめは桜なんかいいかなぁ・・と考えられていたようです。
建築工事と並行しながら何度か木材倉庫へ足を運んでいただき
いろいろな一枚板を見ていただく中で
桜から別な材種へと気持ちも変わる。。

最終的にはスポルテッドの榎を座卓にしようと決めていたようで
白地に墨流しのような模様の入った榎
木に夏、玉蟲が好む樹、何故に榎になったのか詳しい経緯は伺っていないのだが・・
数枚あるスポルテッド榎の中から墨流しの模様の入り方で
好みを一枚を選らばれていたようだったのですが、、、
その選ばれていた榎を社内の伝達が不十分で、私自身が別なお客さんに販売してしまうという痛恨のミス・・・

お客さんはきっと室内へ置いた際のイメージを何度も想像していたのだろうけど・・
ご理解ある方で「支払いが済んでいないのだから仕方ない」
「縁がなかったんだなぁ」と言っていただいた。
誠に申し訳なく思っている。

仕切り直しで、また好みを一枚を探すことから始まる。
始めにイメージした通りやはり「桜」
数枚ある桜の中から選んでいただいたものがこの一枚。

仕入れは2018 10月、天然乾燥を終え数年前に一度プレナー加工を終え
倉庫に立て掛けてあった一枚だった。
この板がここへ来て6年半が経過した事となる。

何度も書いているが、木は不思議なもので皆で見て
あれこれと言いながら可愛がれば可愛がるほど、輝きを増してくる。
これは、ちゃんと見ることで眺めている程度とは違って
見えなかった部分まで良く見えて分かるという事なのかと思う。

私自身も、この桜ってこんなに縮み杢があったっけ?っていうほど
輝きを放って見えた。

オイル塗装はオスモエキストラクリアーを塗った後に
今回はトップコートのオイル(カウンタートップオイル)を初めて使ってみた。
仕様書では木地にこのトップオイルを2回塗りと書かれてあったが
先ずは木の内部へ浸透するようにエキストラ1回、
乾燥後その上からトップオイルを塗った。

お客さんにも実際に塗っていただいた。
木裏から塗って、12時間以上置き乾燥後、木表
気合が入り過ぎたのか特に木表側にオイルを浸透させたくて塗布後数分放置して
拭き取り作業を繰り返していたが
何度拭き取っても汗のようにオイルが染み出てきて
出なくなるまで10回ほど拭き取りその作業で4時間ほどかかってしまった。

桜の一枚板に自らオイルを塗ったのは初めてだったかもしれないが
材種によって、また同じ材種でも個体差でオイルの吸い込みに関して
違いはあるのだろうけど、この桜は樹脂分が多いの何度も拭き取り作業を繰り返した。

榎に出会い、残念ながら縁がなかったけど
この桜とは縁があって迎え入れることになったんだなぁ・・と
お客さんは話されていた。
この桜は待っていたのかもしれない。
このことも何度も書いているが
人が木を選んでいるようで実はその木が人を呼び、逆に選らばれいるのではなかろうか・・?
この仕事をしていると度々そういったような事を感じる。

お客さんのご厚意で
お届けした後に販売する立場としては実際に座卓を使ってみた方がいいのでは?と
早速、桜の座卓で一杯飲ませていただいた。

脚はお客さんが用意した藁で作られた高さ100mmのもの
その上に桜50mm厚を載せただけなので
畳から天板トップまでは150mm
よく和室で見る猫脚のついた座卓だと300~350mm程度なので
その半分ほどの高さだが、特に問題なく使えた。
見た目は低い方が良いようにも見える。

今朝電話して材面の様子を聞いたが
やはり日本酒だとコップの輪染みなどついているらしい。

#400番で磨かれて光沢がある天板は今はキレイ過ぎるから
余計に染みが目立つのかもかもしれない。
コースター等を敷くなどすれば輪染みも付かないのだろうが・・
そういった汚れが嫌であればやはりウレタン塗装という事になるのかと思う。

3年後、5年後、10年後とどう変化していくか・・
無塗装、オイル塗装の一枚板は
その場とそこの住人、そこを訪れる人たちと共に育っていくといったイメージ
どこにもないその場だけの、その場ならではの味わい深いものへと
変化していくことが楽しみの一つでもある。
いや~ご馳走になったし、低めの座卓の使い心地も体感する事ができたので
今度は別なお客様にも説明ができるし、ありがたく思っています。

今度は酒飲み仲間を引き連れて
また桜に汚しにお邪魔させていただいても宜しいでしょうか?