MUKU-DATA  桜 学習机 3枚ハギ 福島県 K様

ふだん、身近で気に留めている木ってありますか?
わたしの場合、近所で子供の頃からあった柿の木と柳の木だったのですが
柳の木はもう10年以上前に、台風で倒れてしまい殆ど折れてしまった状態、、
柿の木はそこの畑が造成される際に伐採されてしまい
泥を被り横たわっていた姿は何とも痛々しく
その柿の木の回りで子供の頃遊んでいたしそこにある事が当たり前に思っていたから
倒されたらその周辺の景色もなんだか穴があいたような寂しい感じになってしまいました。
今は自宅脇の空き地に生えている辛夷、松などまだ樹齢25年ほどの木を眺めつつ
春を告げる辛夷の白い花、そこへ遊びにくる鳥たちなど眺めたり、
松に関していえばもう2階の窓の高さまで達して屋根を越えそうな勢いです。
大きな木に関しては近くのお寺にある欅は
毎日会社からも眺めているし、数キロ離れた場所からも車で走っているとその欅の姿を見る事ができます。

無意識のうちに身近な木を見ながら
人は木と何かしら交信しているのかもしれません。

先日、Kさんから桜の机が完成しましたと写真付きでメールをいただきました。
初めてやりとりさせていただいたのは2017年春過ぎですので
5年越しでできあがった素敵な物語のあるデスクです。

家族のような思い出の桜の木が伐採されて廃棄処分されてしまうのは
家族を失うような気持ちだったので何とかしたいと知り合いを通じて相談されて
丸太の引取り、製材から始まりました。
製材後はお盆の帰省の際は保管された桜に会いに
木材倉庫へお越しくださっていました。
確か2年ほど前に御引取りに来られ木工所さんに依頼されて
漸く完成したとの事で、ご連絡をいただきました。

木工、製材、オーダー家具の事など詳しく知らなかったKさんにとっては
色々と大変だったことでしょうし、きっと思った以上にお金もかかった事でしょう。。

でも見てくださいよ!この素敵過ぎる机を!
木は良く世界で一つだけ、、とはいいますが
フェースの表情は1つだけでも、やはりそこに特別な思い出や想いが入ることで
ほんとうにどこにもない世界で一つだけの
その家族だけの大切なものへと姿を変えてまた新たに生き続けてくれるものですね。。

この桜に携わらせていただいて、良かったと思っています。
丸太からの製材、天然乾燥の保管、・・帰省した際に桜に会いに来てくれるご家族・・
そして今、ようやく机に生まれ変わった姿!
この一連の出来事って作られた無垢の机を販売するだけだったら味わえない事ですし
なんていうのかなぁ・・
上手く言えないけど・・ ただの商売だけでは感じる事のできない
大切な過程の一端をお手伝いさせていただきながら経験できたという事は
製材やってて良かったなぁ・・材木屋やってて良かった。
そしてこの桜も
机として再びご家族に迎え入れられて本当に良かったなぁ~ って。。

桜の机、イキイキと輝いていますもんね!

あぁぁ なんか、ありがとうございます。 なのです。



桜の丸太を引取りにいった記事: 桜 丸太 製材(2017 06)