MUKU-DATA  神代タモ一枚板カウンター 2.7m   SOLD OUT

昨日、工務店さんの設計の方がTVボード用の一枚板をどう加工するか?
現物確認に来られた。
広げられた図面をはじめて見て、あぁ・・こんなところに使われるのかぁ・・と
イメージが湧いてくる。

設計のNさんが重視していたのは、設置される高さと大きさの関係
壁掛けTVの下に取り付けられる一枚板はLDKの大事な部材の一つとも言える。
床の間が少なくなった今、TVボード兼用で設置される板は現代の床の間にも感じられる。
この部分に比較的、無垢一枚板を使われるところも多い。
自然な風合いを残した耳付き板(片耳付き)、
もっとシンプルに両耳を落したストレートカットされた一枚板の場合もある。
総建築費の0.3%~0.5%ほどの費用が必要となるが
LDKを構成する部材としては費用対効果は大きい部材かと思っている。
全てに一枚板や無垢材を使うのがいいとは思っていない。
ランバー材あり、集成材あり、限られた予算内で強弱をつけて使い分けすることで
見え方は随分と違ってくる。工夫の結果の見え方は、良く見えてくるものかと思う。

Nさんからするとその空間にあった大きさ、サイズ感、そして見え方が大事なんだろう。。
実際のH350mm付近にも板を仮置きしてサイズ感を見て奥行き寸法を決定する。
他に重視していたのは辺材部分の耳の仕上げ方法
とかく職人はキレイに加工しようとするがツルツルにすることは
手間も当然かかるし、触った質感もいいのだが
反比例して自然な感じが薄れていく。
この薄い緑のグレーがかった材面と耳部分の黒に近いダークグレーの見付ライン
きっと床と平行に横に流れる見付の線がとても利いてきそうな感じがする。
しかし、残念ながらこの板は神代タモ、、
少し触れるだけで耳部分のダークグレーはボロボロと剥がれ落ちていく。
鑿の裏側で少し削り落として、こうなりますよと色合いを見て貰った。
なるべく原型を留めつつ、樹皮が触っても落ちない程度で仕上げる方向となる。

個人的な意見だが(まだやったことはないが、どこかでやってみたいと思っていたことの一つとして)
一方は壁、室内側の片耳付きの自然な形の耳が残った耳の見付部分に色を入れる事で
どういった見え方になるのか?
今回のケースで言えばダークグレーとか
他には例えば室内の棚板に使われた場合に
あり得ない白(辺材の白太とは違った真っ白とか)
細い見付の横ラインが強調されて、自然な形の木と意図的に塗られたとハッキリわかる色(ここは自然色に近づけて塗るのではなく意図的な色)の関係性が、思わぬ効果をもたらすのかもしれない。。
(まぁそれはいづれ支障のないどこかで試してみようと思うが、
材面の色、横に流れるラインの太さ、それらを考慮して塗る色のセンスが問われることだろう・・)

経験豊富な設計士さんや現場監督さんでも
自然物である木は想像を超えることが多い。
現物確認をしながら木の良さを最大限活かし、設置していただけることは嬉しい限りだし、
カタログではない一点物の現物を
在庫している木材倉庫の意味も出てくることだと思っている。