MUKU-DATA  桜

板に書を書く、または彫って置いておきたいと相談され、
栃、樺、桜の3候補からこの桜を選んだ。

この桜の木の断片には、いろんな表情が織り交ざっている。
柾目、縮み、入皮部分は木目が揉めている。
濃い部分、淡い部分、
そして二つに裂けて割れてしまった際部分。
本来なら、この凸凹した裂けた部分は仕上げた方がいいのかもしれないが、
この荒々しさは魅力の一つ、
あえてこの部分はこのままにしておいた。

桜といえば、優しい木のイメージだが、
自然の中で揉まれてきた木には、
そのイメージとは対照的に荒々しさも垣間見ることもできる。

ここに厳しい文字を書くのか・・
それとも柔らかさで行くのか・・
誠実な文字が刻まれるのか・・

なかなか難しいと思う。

楽しみだ。

コメントを残す