■ MUKU-DATA  寄木名刺盆 伊藤小平
お客さんのところで、お盆を見せていただいた。
新潟市 伊藤小平 明治31年とある。
木工や工芸に関しては詳しくはないが、手の込んだ細工は心奪われる。
材の配置、色の見せ方、使い方、そして超絶技巧
材は桐の柾目を使い、表の黒い材は黒檀もしくは黒柿の真黒、
亀甲模様の縁取りに螺鈿?白い貝だと思うが、鮮やかな白が効いていてそこに目が行ってしまう。
亀甲の2つと3つは意味深だ。(何か意味があるんでしょうね )
裏面は黒くはなっているが、きっと本紫檀、細かな網代の材は何かわからない。
側面は何かで引っ掻いて浮造りのように木目を立たせてある。
もった時に滑り難いような配慮も兼ねたデザインなのかもしれない。
木工芸の作家も名工も全く知らないし、特に追いかけてもいないが、
良いものだな・・と手にして眺めさせていただいた。
因みにもう一つ、こちらも名前を聞いたが忘れてしまった。
杢のある脂松で作られていて、4辺の角部分が少し反りあがって曲線が美しい。
縁の数ミリの斑紋竹を入れてあるのが良い感じ
明治31年=1898年だから 123年前に作られた名刺盆
桐の色もやけて、全体に更に深く落ち着きのあるものになっている。
良いものは100年、それから更に残るものだなぁ・・と。。
因みに検索しても殆ど出てこない、
みなとぴあのHPに寄木団扇が一つ
これも持ちて部分は黒くなっているが多分本紫檀、
蝙蝠の部分はウェンジに見えるが黒檀か?(明治にウェンジが入ってきていたのかどうか?)
団扇部分の寄木は、やはりこの盆と同じ。
良いものを見せていただきました。

コメントを残す