MUKU-DATA  椹(さわら)挽き板 150x12mm
浴室内の板で何かないかなぁ・・ と言われ
倉庫内を歩く。
まぁ通常であれば、桧羽目板、椹羽目板、青森ひば羽目板・・ あたりであろうが、
今回求められているのは少し張り方も違う。
150x12mmの板材を使う方向で現場は進んでいる。
桧無節耳付き板も、青森ひば無節耳付き板も少々は倉庫に立てかかってはいるが、
これから木取りして製材し150x12mmを製材するのは可能だが、
コスト的問題もある。
今回の「何かいい材ないかなぁ・・」の意味は、
『おたくにある程度任せるので、御社で安く出せるものを用立ててくれ・・』といった意味合いも
含まれているように感じる。
今までお付き合いさせていただいた中での信頼関係による「何かないかなぁ・・」かと思っている。
かれこれ、この浴室に張る板の話になって2か月以上は経過している。
ぅ~~ん、自分だったら・・自宅建築中で自分がもしその張り方をするのなら・・と
何とはなしに倉庫をかれこれ2か月ほど歩きながら漠然と考えていた。
そういった案件が頭の片隅に何件かあり、倉庫を歩く。
どこにどう使うか?どうしたいか?が把握できていないと
歩いていても意味はない。材の物色はできない。
倉庫の片隅に椹の太角が5~6本、もう10年以上前に製材して保管してあったもの。。
これが目にとまり、それからまた数週間、本当にこれでいいのかどうか?を
また漠然と倉庫内を歩きながら考えていた。
自分だったらこの椹を挽いた板を張ったならどんな感じ?
浴槽に浸かり、目に入るこれがどう映る?・・ と。
そうだな、これここに使うのが一番いいかもね、、
化粧柱か何かとは思っていたが割れが深い部分もあるし、
ここだな、今だな・・の指令が降りてくる。
で、製材して板材へ・・ という経緯。
何かいいものないかなぁ・・ から2か月以上
工期的に時間がなく即納品であったなら、
きっと良くある桧の羽目板、高いけど青森ひば使ってみますか?
のような流れであっただろう。。
実加工された羽目板と150x12mmの挽き板では随分と張った印象は違っていただろう。。
何か良い材ないかなぁ・・には
材の事をある程度理解でき、お互いに信頼関係の上で成り立っている言葉
そして、待っていただけるある程度の時間が必要だということを感じた。
唯一の条件であった香り・・
これも薄っすらではあるが椹の甘い香りが残っていた。

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