MUKU-DATA  松

松といえば、和室造作の国産材では王様、
いい和室、上等な造作には昔から松が使われてきているが
あいにく脂松高級材を納める機会もなかったし、無垢の松を求められる事もなかった。
(当時、和室でいい造作の場合は、新潟では
床(ゆか)では大建工業さんが出しているWPCの突板貼りの松フローリング、
床の間廻りは欅より上といえば松の貼物が主流だった)
なので本当の松の良さを身をもって実感した経験がないのは
材木業界に身をおくものの一人としては残念な事ではある・・
材木屋になりたての頃、先代が大きな節のある地松を製材して乾燥させ
玄関式台に納材した事があったが、
「節」って欠点では?とほんの少しだけ材木を知り始めた頃、そう思っていた。
その後、バランスの良い大きな節をあえて上等な和室造作で使っている文化財を何軒か見た。
大きな節が二つなら「夫婦」、
杉天井に大きな少し縦長の節が散りばめられた「小判」
都合よく解釈して、上手に使うものだなぁと感心する。
欠点と言われる木の部分も角度を変えてみると見た事もない面白い素材に変わる。
それは欠点が大きければ大きいほど、
木取り、製材のバランス加減でそのキャラクターが引き立って見える。
市場に大きな節だが、丸ではなく(挽き方の関係)三角に流れた
キャラが強く、割れが入った松があった。(木裏)
あ、これおもろいなぁ・・と思って見ていたが、
(通常なら割れもあるしこの感じだと安い?)
残念ながら、、というか出材者はそこを知っていて出材していたようで
結構いい値段がついていた。
「そーですよね、面白い表情ですもんね」
って感じで手が出なかった松
製材での変則的な挽き方は
(傷など事情があって通常以外挽き方で偶然面白い杢目が顔を出す事はあるにせよ)
未だ手つかずの状態だったのかもしれないなぁ・・
と思ったりする。
キャラの強い材も揃えていくこと、
どう見てもこれ違うよね、ってほどの強烈なキャラ
ちょっと失敗しそうで怖いけど使ってみたいなぁと思える材、
そういった材があることで材木屋も建築も
もっと楽しいものになるんでしょうね。

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