MUKU-DATA  杉柾目積層合板(富山市ガラス美術館内)

今は、無垢材というと板目使いがほとんどかと思います。
(一部板目使いが割れ等で難しい、ピーラー、米ヒバなど除いて)
丸太から柾目を製材するとなると、柾目が取れる大きさは板目に比べて3分の1~4分の1程度になってしまいます。
(丸太の木口の絵を描き、柾部分を見てみると良くわかりますよ)
昭和の初期の頃に建てられた、県内に残る文化財など見ると、
唐木や特殊材というよりは、
柾目使いをキメの場所に使っている建物が多くある印象です。
(地域的に唐木など入り難かった?のかどうか・・)
柾目の床柱、柾目の天井板、4方柾目の杉の柱など

柾目と板目、
板目ばかりの今ですから、柾使いされた部分を見るととても新鮮に感じます。
杉の真っ直ぐに通った柾目は凛とした表情が出てきます。
ポイントはどこに柾目を持ってくるかなのでしょうね。

木童 杉源平パネル(赤白無地上小 柾目3層パネル)

一方、「板目」
その表情は千差万別、受け取る側によっていくらでも解釈可能で、
さまざまな見え方、感じ方をもたらしてくれます。
これはミラーに添わせて設置してあるルーバーです。
左右対称のいわゆるブックマッチの表情になっています。
2枚ハギの天板、ギターのボディーなどにブックマッチとしてよく使用されます。
自然が作り出した木目模様を意図的に左右対称にすることで
更に面白い表情が作れるかと思います。
ブックマッチ、室内の造作として一部使ってみるのもいいのかもしれません。

同じ杉の木なのに柾目と板目じゃ
まったく見え方、見る側の感じ方が違ってくると思いませんか・・・?

どこに柾を使い、
どこに板目、さらにブックマッチにしてみる
素材としての木の見え方の可能性はまだまだたくさんありますね。

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