MUKU-DATA  3本枝がある桜 製材

かつてこれだけ雪の降らない冬の記憶はないので平年通りの気候でいかないと
大丈夫かぁ・・と少し心配になったりする。
昨日、3つ枝のある桜の丸太を製材しました。
この丸太は市場から弊社へ持ってきたものでこの春で5年が経過します。
雪が降らないので春が恋しい、桜を待ち侘びる、という気持ちの高まりも少ないのですが、
鋸を通すと工場内は桜の香りで満たされました。
気候は平年通りの方が安心ですが、
製材は通常通りでは面白くありませんので今回はこの3本枝のある桜の木を最大限に活かしてやろうと
輪切りで製材を試みます。
輪切りの製材は時々行いますが、
3本枝の丸太だと、製材機にセットした光景はどこか変・・
なんじゃこれ?ってな感じです。
この丸太長さは L1400mm程度
これどう挽いてやろうか?とずっと眺めていた丸太でしたが、以下のように製材する事にしました。
①3つの枝を活かしてH700mm輪切りのそのままテーブル、もしくは丸ガラスを置いて枝が見えるテーブル
②H300mm程度の輪切りにして、それを半分の三日月型にして座卓脚材用など
③H200mm程度にしてギザギザの樹形を活かして土間からの式台、踏板用など
④挽き残りの薄めの板はインテリアの飾り装飾用など
大雑把に頭の中での製材木取りメニューはそんな感じで製材スタート
まず製材機に奥行きが入るようにチェーンソーでカット
段差調整しながらセット完了、いざ製材
(桜よ、5年待っててくれてどうもありがとう)
この3つの枝が天板の表面になります。
楽しそうなものなるのでは少し期待
(虫穴があるけど、桜はやっぱり美味しいのね。。)
反対側も擦って並行で700mmに決める。
チェーンソーでカットしたもう一個の塊も製材
輪切りでH200mm、H300mm、そして残り45mm程度の木取り
手伝いしながらなので途中写真が撮れなかったが
これはH200mm輪切りの塊
段差350~400mmの土間からLDKへの式台・踏板などにいいのではと・・
残りは300mm残しの製材で手前から製材、取れそうな厚みは45mm程度
まずは表面スリスリ
ん?
ちょっと待ったぁーーーーー!
通常だと表面は平らに仕上げる為、帯鋸で少しづつ身が出るまで平らに擦っていくのですが、、
5年前以前、山?どこかで切られたチェーンソーの痕が一部残りつつ、
新たな桜色の身の部分が顔を出した感じ。
これ、このままの方がいいなぁ・・と
ストップ!
このままで完了とした。
輪切りは厚さがないと芯割れや樹皮割れから直ぐに解体されそうになるので
臨時に鎹を打ち付けてこのままの状態をキープ。
これは自分で仕上げようかと、事務所内へ持ってきた。
じゃーん、
ギザギザした桜の輪切りです!
チェーンソー痕が経年でグレーになった色と
製材で新たに顔を出した桜色が何となくいい感じに見えるのは私だけでしょうか?
(さすが猫屋?)
先日、知り合いの方から言われたのですが、
一枚板で耳部分の皮むきの際に皮がへばり付いて剥けない部分を
急いでいると鑿と金槌を使って少々粗めに叩き取る事があるのですが、
その方、そのはぎ取った鑿の痕を
あの痕ってなんですか?
あの粗めの勢いがある痕がいいんですよねぇ~ と。。。
???
いろんな見方や感じ方があるもんだなぁ・・と思いました。
意図しない勢いのある少々粗い鑿の痕・・
世の中が作り出す姑息な意図的なデザインに飽き飽きしている人が一定数いる。
意図しない表情に心惹かれる。
少しわかるような気もします。
この桜の輪切りも狙ってできた痕ではなく、たまたま製材に立ち会っていて、
このままの方が何だかいいなぁ~と思って寸止めしたもの。
樹皮を取って、三条の職人に鍛造してもらった平鎹を数本打込み
仕上げようと思っています。
そうそう、あんまり変な手を加えず、
用の美ってところまででね。。

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