MUKU-DATA  欅 床の間、欅の板

年に数回、会社へこういった材、丸太があるんだけど、引取ってもらえませんか?
という電話をいただく。
先日も連絡をいただき折り返し電話をしたら弊社木材倉庫にも来たことがあり
お付き合いのある工務店さんで昨年新築をされたらしい。
話を聞いていると純粋に木が好きで大切にしている事が電話口から伝わってくる。

自分で持って行くと言われていたが、直ぐ近くだったので
大変だろうし、トラックで引取りに行ってきた。
欅の板はピンホールがあり、木も若く反りもある。40年以上前のものらしい。
框付きの床の間材は上半分は大柄な板目、下半分は杢があり動いている。
全面が良い木目というよりは少し偏っている。
こういった床の間の板は、ここら辺の田舎では良くあること。
どこかの家を解体した際に、大工さんが取外し保管していたものを
譲り受けたらしい。
裏面には大正元年(1912年)の墨の文字が・・・
大正時代に建てられ、昭和?のどこかで解体され、平成を越え、令和の時代に
何故か弊社の木材倉庫へ辿り着く。
不思議な旅とご縁だなと思う。

大切に使われ磨かれて今は残る古い材は独特の雰囲気を持っている。
新材では決して出せる事のできないオーラを纏う。

床の間が殆どなくなった今、
逆にこういった材を畳間に今風に取り付けるのも悪くはないと思う。
113年前に作られた床の間
どこかで活用できらばと思う。