■ MUKU-DATA 瓦屋根下地の小幅板(広木舞) 


パンキッシュな古材が入荷した。。
のではなく、
廃材として今朝工場に置いてあった。。。

土蔵が痛んで壁が落ちてきたり割れから雨が浸入するので
蔵の周りを下見板で囲んで欲しいというのは時々頼まれる工事。
杉の下見板で蔵を覆う工事の途中、急遽屋根瓦を変える事になり
屋根の吹き替え工事も始まった。
瓦を捲ると下地も部分的に傷んでいたので、
今でいうルーフィング代わりに昔打たれていた木端を剥がして
その下の小幅板も一部取替えをおこなった。
この小幅板に残る小さな釘の痕は木端を留めていた釘である。
屋根屋さんが口の中へ釘を入れてトントン、トントンと手際よくリズミカルに釘を打ち付けていた事からトントン屋根と言われている。
子供の頃、何となく記憶があるような・・ないような・・
私が材木屋になりたての頃は、この木端は3尺巾程度に繋がれロール状になっていた。
今のルーフィングの前の頃の話。

小幅板は面付きで手斧で斫った痕も残り、そこに残った小さな釘。。
見ているとどうも気になる。
きっとその一枚の小幅板に残る手仕事の量とその痕跡が引っかかるんだと思う。

ふつうは破棄処分なんだろうけど、何枚か状態が良さそうなものを
選び出して保管しておくことにした。
(屋外に立て掛け、雨で埃や泥を洗い流す)

何かにつかえそうじゃない?このパンキッシュな小幅板の古材・・?
破れた継ぎ接ぎだらけの革ジャンにスパイクスタッズを打ち込んだような感じ。。
例えば内装の一部壁面に貼ってあったら・・・ ??? !?と思うよね。。
新設でやろうとすると、
ハイ、先ず面付き木端を用意して、材面を手斧で斫り、
錆びさせた小さな釘を用意して、、
じゃぁ大工さん小さな釘を1枚に30~50本ほど打ち込んでとお願いして
一日、何枚できるのこの素材、的な・・







ルーフィング代わりに小幅板に打ち付けられていた木端の残骸
因みに弊社創業の曾爺さんは材木屋をはじめる前は木端へぎ職人だったと聞いている。
木端へぎ職人から製材業を創業した人はこの町では多かった。