MUKU-DATA  虫食い、蔓の跡、深いえくぼ

変木(へんぼく)類も何本か木材倉庫に置いてある。
茶室や数寄屋建築用では厳格に大きさや曲りの位置など決まっているようで
それに見合うような材を探すのは容易ではないと聞く。
弊社でお付き合いのある工務店さんで
真の茶室や数寄屋建築など作っているところはなく
(本物の数寄屋建築、茶室などご検討の方は日本で屈指な専門の工務店さんの紹介は可能ですのでお声がけください)
崩した和室に使いたいとか、店舗で使用したいとか、、なので
それほどサイズや規格など拘らずに、いいなぁってものがあると
時々買って在庫している。

倉庫を整理していたのだけど
10年ほど前に購入した変木類の中の磨き系で
キャラのある3本を出してみた。
杉?桧? 節が赤いから桧かと思うのだけど
なかなか面白い見立てをして作るなぁと思うし
今や変木の製造業者も殆どいないと聞くが
これを作った人に会って話を聞いてみたいとも思う。

上記3本の上から
①虫食い  
 所々に虫食いの跡が残っているものを模様としている。
 虫にやられた丸太なんて・・・ってなりそだけど
 部分的に食われている事で景色となっている。
 何事も中途半端は良くない。
 欠点もとことんあれば利点、美点に変わる。。。  ?

②蔓の跡
 山へ入るとヘビ!??って思う事がある蔓が巻き付いた木々
 藤の別名は確か絞め殺しの木
 巻き付かれた蔓を外して磨き丸太にするなんて、
 山から木を伐る製造者のおじさん?いいセンスしてると思わない?
 そんなこと、一体だれがこれを柱とかにしよう!って考えたの?
 👏👏👏

③深いえくぼ
 磨き丸太が頻繁に使われていた20年前までは
 この磨き、えくぼがあるね・・って評価は下がっていたかと思うが
 ここまで深く入り込んでいてバランス良く点々とあると
 キャラの立った柱に見えてくる。

当時、磨き丸太が頻繁に使われていた頃
天然絞りとか細かいのものをちりめんっていったり
高いものは30万、50万なんていって桐箱に入れられて販売させていたものもあった。
確かに北山の天然絞り丸太は惚れ惚れするものもあっていいんだけど。。
逆にこういった規格外、
半端な規格外だと比較されて欠点が目立ってしまうが
開き直るほどに、どーだ!オレの顔はこうだ!
って堂々とした生き様のような姿をみると
優等生同様に超不良にも同じ位、それ以上の魅力を感じたりする。
(人間も同じかも)

自然のままの姿、自然が創り出した形、
多くの生物と共生しながら生きてきた木々たち
そして、そのままの形、それを逆手に取って活かそうと考えた
製造者の方のセンス!

木材業界も木の家も今はどうだろう・・・?
随分とギスギスしていて余裕や遊びが少ないように感じるのは私だけか・・?

そんな遊び心を忘れずに自然が創ってくれる木々を
材木として使えるように木と向きあっていこうと思う。