MUKU-DATA  欅の根っこ tree roots  2022 9/3 SOLD 愛知県 K様

昔、木の根などを外に長く放置してわざと白太部分を腐らせた後
赤身の部分を磨いて、置物などとして作っていた職人?・・
商売というよりは個人的な趣味人がある一定数いて、
床の間や玄関先などに磨かれた物を置いてその自然な造形を眺めたり愛でたりしていた。
だから流木とは少し違う。
この磨かれた根っこ、
あまりに欅の木肌が出ていて生々しかったので、再度外に放置してまた灰色に味付けした。
昨日、木材倉庫に来られたお客様と、この木の置物を見ながらあーでもないこーでもないと
話をしていた。
要約すると、直線的な建築空間に自然な曲線を取り入れたら?ってこと。
ちょっと間違った方向にいくと今どきのシンプルな空間が一気にダサくなってくる・・?
自分自身こういったものが嫌いではないので何個か持っているのだが
まだ本気でこれらとは向き合っていなかったかと思う。
お客様が帰られた後、これねぇ・・・と一人眺めていた。
こっちの角度がいいかなぁ・・とか、
欅の輪切りの台に乗っけたり・・
どこかに一つ、何か手を加えれば、これイケる!? ってなりそうな気もするが。。。
何だかシルバーグレーに鈍く輝く観音菩薩に見えてきた。
精巧に彫られた仏像より、樹齢にいった木の断片のままの方が
心に響いてきてありがたいものに感じるって言っていた都会の人の言葉を思い出しながら。。

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