MUKU-DATA  変木 いもぎ?  鎌倉/木材倉庫

こんなクネクネした変木なんて立てない方が、ハズサナイ。
何もないシンプルな箱に、
煌びやかであったり、奥ゆかしかったりする、木々たちを並べた方が、
きっと見栄えもするだろう。

今朝NHKで国産漆が不足していて、文化財の修復に支障をきたしていると言っていた。
文化財修復は、やらなきゃいけない事だろうけど、
木材業界にも陽の目を見ずに自然消滅しそうな部材が数多くある。
必要ないものは、消えてなくなる。という事なのだろうが。。。

みなさん変木を使ったことがあるでしょうか?
変木といえば、お茶室や数寄屋建築の草の部材、
新潟は土地柄、数寄屋建築が発達しなかった地域でもありますので
なかなか手にする機会が少なかったのも事実です。

赤松を筆頭に、榁(ムロ)、香節(コブシ)、躑躅(ツツジ)に百日紅(サルスベリ)、
萵苣(チシャ)、楓、アテ錆丸太、枯れたシャレ木に松のジン、・・・
もう既に山へ入る人も数えるほどしかいないと聞きます。
いづれ無くなってしまうのかもしれません。

そのうち無くなるであろう建築部材として欄間もそうですね、
私が材木屋になった頃(25年ほど前)はもう既に下火だったのですが、
現在は皆無に近い状態です。
私自身、彫刻欄間を売ったことは一度もありません。
透かし欄間や筬欄間など繊細でいいものです。

あと、天井関係。
天井といえば和建築では、見せ場の一つ。
無垢天、網代、葭、蒲、萩、黒部、まこも、
それぞれに編み方や材種などその種類は何通りも存在します。

それら繊細な天井材も工務店さんから要望されることは
ほぼ無くなりつつあります。

シンプルな空間、
個人的には大好きですし、どちらかと言えば好みです。
そっちの方が、コストも抑えられるし、今時では外す事も少ないでしょう。

求められなくなり、消えそうな部材たちが多く倉庫に眠っていましたので
それらをあえて使って造作をしています。

やり慣れていないので、
材の組合せ、立てる位置、見え方、使い方のルール、
その都度、凄く悩みます。

ここの倉庫ははじめは水道を引き、トイレを作る程度でスタートしたのですが、
造作になって随分とあれこれとやり始めてしまいました。

材木屋としてどうあるべきなのか?
木材業界の先輩たちが残した多くの自然味溢れる部材をどういう形で次に繋げていけるのか?

徐々にそんな気持ちが大きくなってきました。

もしかして眠っていた材たちが、
使ってくれと叫んでいたのかもしれません。

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