MUKU-DATA  黄檗(キハダ)杢板 天然乾燥材 プレナー加工済

何の木が一番好きですか?と聞かれる事があるが
それぞれにその木の良さがあって、、
材種というよりはその木が持っているそれぞれの個性に惹かれているのかと思う。
杉でもその佇まいから始まり、一枚の中に描かれた木目が全体の形と調和して
とても個性的に映えるものもあるし、
今はいちまち人気の薄い欅だって、多彩な木目が出易い木で
魅力的な材はたくさんある。

やはりそれぞれの持っている個性に惹かれるのかと思う。

木の一枚板というと、真ん中に板目が走り左右に追い柾目~柾目、そして白太から最後は樹皮へと
いう一本の丸太を割ってできる木目を想像するのかと思うし
一般的にはそういった木らしい木目が好まれるのかもしれない。

弊社に在庫のある板で柾目~追い柾で巾1200mmのセコイヤや
巾700mm程度の杉の柾目の板、過去には巾800mm程度の柾の米松もあった。
丸太を挽くと柾目部分は丸太の中心から左右両端部分にでき
柾目はその丸太の1/3~1/4の断片と言える。
巾1200mmのセコイヤであれば、丸太の径は 1200×3、×4・・
となると直径4mほどのとてつもない巨木だった事が想像できる。

そんなものを室内へ入れてテーブルやカウンターとして
果たして使っても良いものなんだろうか・・・さえ思えてくる。


今回プレナー掛けを終えたこのキハダも
柾目を中心として変わった木目が形成されている。
立木の時はどんな姿をした木だったんだろうか?
大きな枝もついていただろうし、極端に偏芯していたのかもしれない。
年輪は細かく、縮み杢を中心にその杢自体交錯してプチプチした
杢が出ているカ所もある。
あまり目にすることがない変わった杢目だなぁ・・と思う。

一枚の中で傷んでいる部分もあるので
例えば4辺をストレートカットしてスクエアに切り取ったとすると(木取り)
板目部分がほんの少しだけ入り、角度の違った柾目~追い柾がで構成された
一枚となる。
木の板らしい、真ん中に板目の通ってあるそれとは全然違った表情が現れる。
なんじゃこれ?
これって木なの?
どんな形の木だったんだろうね・・・?
四方に枝を伸ばした大きなキハダだったんだろうねぇ・・・と想像が止まなくなってしまう。
巨木を授かった際に、どう使おうか?どう見せようか?
という木取りのセンスと腕の見せ所とも言える。

黄檗は比較的、縮み杢が出易い木ではあるが、
このような杢を持ったキハダを見たのははじめてだし、
今後こういった同じような杢を持った黄檗と出会う事はないだろう。。。