MUKU-DATA  高野山の杉 浮造り板 

前にこの高野山の厚板(耳付き一枚板)について書いたかもしれないが、
これはその高野山の杉から挽いた腰板用の浮造りのかかってあるものです。

高野山は学生時代に一度だけ先輩に車で連れていかれたことがありますが、
奥へ着いたのが夕刻頃で、辺りは静まりかえっていて
鬱蒼とした大きな木々が音をたてて風に揺られ、
気軽に来ちゃいけないよって言われていたような印象が残っている。

この高野山の杉から挽かれた板ですが、
何が気になるかっていうと、この木が持つ香り。
とても甘い香りがするのです。
屋久杉もその見分け方としては、屋久杉特有の甘い香りがありますが、
屋久杉と似たような甘い香りがこの高野山杉からも発せられています。

高野山から出てくる杉は全てこの香りなのか?
この木だけが、この香りなのか?
杢目や用途というよりは、この甘い「香り」で買った板類です。

木材倉庫の室内へ入れてみました。
香りが強い時と香りを感じ難い時があります。
倉庫にある大きな一枚板も同じで、雨の日や湿度の高い日は香りが強いような気がします。
他には樹齢があること、300年?丸太は見ていませんが、一枚板やこの腰板の感じから
かなりの高樹齢の木かと思います。
あと、油分が多い事。杉なのに質感はねっとり湿った感じです。

材の仕分けジャンル的には腰板類になっていますが
巾が狭く数も少ないので腰板以外の用途へ向けるのが宜しいかと思います。

床の間のない畳間に花を生ける為の花台としての敷板、
お茶やコーヒーを置くお盆(トレイ)代り、
壁面の一部に入れて金物を打ち込みコート掛け用の幕板
トイレ等のライニングカウンター用天板
・・・・等々

油分の多さと甘い香り、そして高野山の杉
これらが活かせる部分に使う事で
この小さな 910×250mmの断片が生きてくるのかと思います。

関連: 高野山の杉 腰板 浮造り / 高野山の杉 香りと気配

高野山杉 2228  910 250×12mm  2枚口

高野山杉 2230  910 250×12mm  4枚口