MUKU-DATA  カウンター脚 設計・製作:木材倉庫のN

木材倉庫のN、さっそく先週の第四土曜日に現れ
室内の一角に何やら組立はじめていた。
樺のスポルテッドの一枚板を置く為の脚の部分。
この案に関しては詳細の打合せなどほとんどなく、
Nから移動できたら面白いよねって話に以前になって
米軍の鉄製のタンカーの安いものがあったのでその為に入手していたのだが
それがNにはしっくりこなかったようで
0⃣から考案して、この形になったようだ。

この日もお客さんの対応で、結局この脚に関しては
深く掘り下げNとは話はしていないが
なかなか機能的にも面白い脚だと思って眺めていたし、
ご来店いただいたお客さんの別角度からのご意見も考案・設計・製作まで
一貫して行ったNには大いに参考になったことだろう。

建築を専門に学んできたNには、当然だが
材木と建築、材木と家具など自分にはない視点が多くある。
今後、Nの新たな視点を加え更なる倉庫にある木の良さをお伝えできればと考えている。




間柱の端材で製作すると聞いていたがラーチ24mm合板端材に変更したようだ。。
このチープさいいのかもしれない。
組上げた脚は念の為、PPバンドで固定する。
黄色に青、
お客さんの中にはここは上質な皮のバンドを使って云々と言っていた方もいたが
色違いの材木屋の結束で使うPバンを使い敢えてチープさを演出か・・?

厚めに挽いた鉋屑があったのでコードカバーにしたらしい。
へぇ~

高さも変えれるし、上下の受け材の奥行きを変えれば巾のある一枚板も置ける。
長さに関しても横材を長くすれば長いものも設置可能
井桁に組んだ隙間が受けとなり棚板を好きなように挟むこともできる。

へぇ~ 多機能なんだね、


木を組むこと、井桁にもともと興味があったというN
当初は杉など無垢材を使いパーツ両端に角度を付け木口を白く塗りたかったらしい。
それはそれでこのチープな脚とは全く別なものになりそうだ。
例えば、桧の柾目を使いパーツを作る。
両端が斜め、木口には白の塗装が塗られている。
組み上がったら神社みたいな感じ、日本的なイメージになるかと思う。
天板も桧を使えば、なんだかとっても上質なものが出来上がりそうだ。

使う材、木口の色分け、だけでも随分と見え方は異なることだろう。

パクって応用して作って、Nを驚かしてやるか・・・

カウンター内部側に立った際も何故か妙に落ち着くのは空間の使い方か?
照明の照度の関係か・・・?
こちら側に立った際も端っこ好きな自分でも平常心でいれるのは何故?


あ、お客さんが来られて、Nが説明を始める。
今までの木材倉庫にはなかった展開となっている。
良い感じだったので写真を撮らせてもらった。



Nの家具も新鮮だったが、これを設置する為に巾広のクラロを立掛け
もう一枚のクラロを壁際へ置いて、余白のスペースに輪切りを置いた。
すると全体の見え方ががらりと変わり、
今までと同じ打合せテーブルの周辺は何も動かしてはいないのだけど
視覚的に広がりを感じた。
配置で見え方も室内の空気感も変わる。

こういった事の何か方程式はあるのだろうか・・・

翌日の日曜日も確認、打合せテーブルの特に背面が広く感じるのは何故?



Nの作ったこのチープな脚には完成されない余白が多く残っている。
余白があるというのは、それを見て触れる人々に何かを考えさせてくれるものだ。
木材倉庫の一枚板類に関しても、同じく余白があるのかと思う。
完成されていない「過程の木材」という素材は多くの人たちの脳を刺激してくれる。
更に木材には心の部分を満たしてくれる目に見えない包容力(余白)も併せ持っている。
それがここで材木を選んでいただく意味、楽しさなのかもしれない。


「木材倉庫のN」 密かにインスタグラムもはじめたらしいので
こちらの方も変な動きをしないかどうか、時々確認していただければと思う。

check this out ☞ 木材倉庫のN