■ MUKU-DATA 伐採された桜の木
昨日は「これらの木、何とか使えないですかねぇ・・」っていう相談が
3件あった。
日常の事なのであまり意識はしていなかったけど
多分、月一程度はそのような相談をされているのかと思う。
「この木、何とか使えないですかねぇ・・ 活用できないだろうか・・?」
その多くは勿体ないし折角の木を活かしてあげないと可哀そう・・という気持ちからが多いように思う。
木は動かないし話は聞こえないけど人の心に触れる部分が多くある。
ウクライナやイスラエル・ガザの街の瓦礫の中で焼け焦げた街路樹、
かろうじて生き残っている樹木たちはこれらの惨状をどう見ているのだろう・・
その光景はいたたまれない気持ちになってくる。。
一件目の相談は工務店さん経由でリフォーム中の住宅に
欅の厚盤をどこかにつかえないだろうか?という相談。
施主さんがお知合いの方から譲り受けたものらしい。
現場監督さん、施主さん、私とで現物を見ながら相談して
玄関の式台、リフォーム中の造り付け家具の天板等に使う事になった。
奥行きの足りない部分は巾ハギをして使用するとの事。
現場監督さんはその場でスケッチしてこう木割りして使いましょうと
説明されていて、それは良いアイディアだと思いながら話を聞いていた。
二件目の相談は大工さんから
造園屋さんが伐採した樹木を薪材として貰っているようだが
今回伐採された桜の丸太が結構大きめの径だったので
全て薪にするのは勿体ないし板類や輪切りにしたらどうだろうか?という相談
30cm程度の径の丸太も多かったので丸太スツールとか作ってみては?とか
これらの桜を見ながらあれこれと話しをした。
伐採理由は企業敷地内にあり、落ち葉が周辺に迷惑をかけている事などらしいが
きっと春には周囲の人たちの目を楽しませてくれていたに違いない。。
とかく今の世の中、負の力に引っ張られる事が多いように思う。
来年、もうそこに桜の花はないのだから・・残念なことだなぁと思う。
三件目の相談は県外の大工さんから近所の大きな材木屋で
一枚板の置き場がなく大量に外に放置され朽ちてしまっているので
その光景にいたたまれなくなって連絡してきてくれたのだろう。。
因みに偶然にも同じ場所の光景はこの春、目にしていた。
そこの木材担当責任者さんもこの状況を何とかしようと再製材、仕分けなど
進めていると話されていた。
木を扱う人たちは、木に助けられながら木と共に歩んでこれた。
『木魂碑』なるものが銘木市場に存在するのは
そういった木に感謝をする意味合いからだろう。
いづれもそのまま廃棄される事がいたたまれない・・
何とかならないだろうか・・・?という相談の一日だった。
そう思っていただけるのはきっとごく一部の人だけで、
その人に出会った木のみが偶然にも次の物へと姿を変えて活用され
生かされていく事になる。
もしも木の声が人の耳に聞こえ、木が歩く事ができたのなら
そんな状況になった時、木たちはどこへ向かっていくんだろうとも思う。