MUKU-DATA  茶道具 結界 材:水車板 煤竹 黒柿

先日、材を整理していたら水車古材の側板(輪板)を使い
縁は煤竹と板を受ける下の受け材に黒柿を使ってある結界が出てきたので
引っぱり出して眺めていた。
両端の脚も煤竹でできてあり、片付ける際に取外しができるような細工が施されてあった。

かつて数寄屋建築材を扱っていた銘木匠がオーダーして作られたものなので
ご本人にこの結界の事を電話して聞いてみたら
現物を見てないので記憶は曖昧だったが(師匠、ラインが出来るようになってください)
風炉先や結界、炉縁などは茶道工芸をやっていた風里谷藤五さんという方に
製作をお願いしていたのできっとその方に作ってもらったものかと思うと話していた。

過去に何枚か水車板や舟板は販売させていいただいているが
実際にそれらを使って自ら何かを作ってもらう経験をやった事がない。

舟板や水車板などの枯れた古材を見ていると、
ほぼその存在自体で完成されたものを感じる。
例えば敷板の花台として使うのではあれば舟板でも水車板でも
花器とそこに活けた花を引立たせるのに十分な名脇役としての役割を果たすだろう。
またそれらは室内に置いてあるだけで絵になって見えてくる。

では実際に自ら水車側板を使い写真と同じ結界を作ろうしたとしても
きっと同じようなものができる自信がない。
結界のメインの材である水車板の木取りが絶妙かと思う。

水車や舟板を内装材として使ったお店へ連れていってもらった事があるが
素材自体が全体で見て浮かずに違和感なく室内へ溶け込ませる事は
とても難しい素材なのだろうと感じたし
経験と場数を踏まないとそれらの素材を調和させるのは
難易度の高い素材のようにも思える。

この結界は見ればみるほど、
水車板のいい部分を木取りして煤竹のフレーム内に落しこんでいるなぁ・・と思う。
側板にあいたホゾ穴のリズム感、長く使われ浮造りされた凹凸、材の色あい、
両端の削った部分の絶妙さ、そして節までもが絵になって
物語と風景が見えてくるような感じになってくる。

一枚の板からどの部分を使ってどう見せるか?
貴重な材を生かすも殺すも木取りする人の目、センスにかかっているんだなぁと
あらためて肝に銘じる。