■ MUKU-DATA  大徳寺 黄梅院 ( 2022 8/14 )

あてのない旅の途中、そうだ、大徳寺の塔頭へ寄って行こうと不意に思った。
過去何度か大徳寺の塔頭は拝観してきたが、
大寺に寄り添ってある塔頭は比較的小さな院が多いので
建築や庭、アプローチ、そこで使われる材、技術など現実的なものとして捉え見て考える事ができる。
いつもワクワク心が躍り建築と庭の美しさに感嘆させられる。

大徳寺駐車場には、16:00頃着、ひとけもまばらでこりゃいいやって感じで
周辺を歩くと、あれ?黄梅院開いてるね・・・・
ここって非公開だったんじゃないの・・?
過去に一度も入った事がなかったよなぁ・・ 
ラッキー!ついてる!って感じでここ1カ所集中で拝観してきた。


そりゃ、もう、門を潜った瞬間から別世界ですよ~
苔庭と青々したモミジの葉に覆われた緑の異空間からはじまり~

あとはもう、庭にしても建築しても、玄関へのアプローチも、
全てが何でこんなに美しいのでしょうね!
大きさ、バランス、素材、組合せ、そこで使われる一本一枚の材、
なんていうセンスのよさ何だろう!って。
かっこいいだけじゃなくて、室内からの庭の眺めや腰を下ろした時に感じる
居心地の良さ・・
最近でいうところの和風モダンなんかと比較できないほど(当たり前だけど)
本物の凄さ、凄いんだけど嫌味のないサラリとした材の使われ方、納まり・・
これってだれがこの建物をまとめたのでしょうね・・って
大徳寺の塔頭に来ると毎回感動させれます。

当然材木屋ですので目は使われている材へ向き
知らない材(変木、庭の生垣材など)も多くあった。
自分だったらどう応え?何の材を出せるだろうか?と・・
これも毎回良質な古い建物をみながら思い考える事。

パンフレットと共にいただいた紙に言葉が添えてあった。

『流水は先を爭わず』

このような気持ちで考えている人は多いと思うが
とかく人は弱いのでついつい競争へと巻き込まれてしまう。
自分自身もヒョイとかわしていきたいとは常々思っているが
そうもいかない時もある。。

どういった心構えで材木を扱っていくべきか・・
ここで使われている木材と建物、庭、そしてこの言葉が語りかけてくる。