MUKU-DATA  杉 役物 化粧桁 8m 300x135mm

和の佇まいの家の玄関脇の庇化粧桁を製材しました。
長さは26尺(8m材)
まず8m材で役物が取れる丸太があるかどうか?から始まります。
なければアウト、別な方法を考えていただかないとなのですが、
県森連に何とか使えそうな丸太が2本、
1本は2番玉、素性はいいが芯去りで取るにはギリギリ、芯を入れるかどうするか?って物
もう一本は写真の丸太で片側は節が少なくもう一方は節が多いって物
伐る際に出来たのか木口には玉割れの跡が懸念される丸太でした。
他にも8m以上の丸太が数本あったのですが、
きっとどこを挽いても大きな節が出るであろうものでしたので
挽いて一本駄目だったことを考え、2本手配しました。
長尺の役物、昔々は良く製材していたもので、若い頃に経験していますので
どの程度でいいかの判断基準は備えてあるつもりです。
問題は素材がなきゃ出来ないってことだけ
何とかあって良かったが挽くまでは分かりません。
丸太引取り
交通違反?ギリギリセーフ?
長いから気を付けて降ろしてね、
バランスを崩して落としたらトラックは潰れます。
丸太をセット。
長いなぁ・・・
8mは何とか挽けます。
過去10mを挽いた際には丸太が工場の壁に当たるので
外壁のトタンを剥がして挽いた事もあります。
いざ、製材
節、出るかなぁ・・
少しづつ挽き肌の面を見ながら
良いんじゃない、
色も良いし、杢も良いし、
今のところ大面には節はない
板目の杢ではなく
ちょい霧島系の交錯した笹杢、上等上等
末口の方がまだ300mm取れないので
このままの状態で挽くとどこかに節が出てくる可能性もあるので
末を約1寸ほど鋸の方へ出して斜め挽き
(簡単に書いてはいるが末口を1寸ほど出すのは人力でしかできず重い重い)
長く重いので途中で裂けてしまうと悪いので
末部分はラッシングで締めて製材
ズド~ンって、
木裏付近もこの程度なら上出来かと
通常は庇の桁は大面、下面、裏面の3面化粧が条件となるが
芯に近い部分はどうしても節が出易いので難しい。
L面なら取り易いが、裏の3面目までとなると難易度は高くなります。
納め先の工務店さんはその点理解して分かっているので問題なし
巾を決めるのに桁の上下部分を落とす。
丸太を製材するとどうしても反ってきます。
製材時の反り具合を見ながら修正挽きする為、この丸太は1寸増しで製材しました。
少し乾燥させたいので、分増ししたまましばらく保管、
出荷時に修正挽きを行い納品となります。
丸太から製材をやっていて常に思う事は、
この丸太なら絶対に大丈夫!って思っていても駄目だったり、
今回のように径が足りない2の玉、
玉割れして半分大きな節だらけの丸太の2本のみで選ぶ余地なしの
心配した丸太から凄く良い杢の物が取れたりと
ある程度は予想はしていてもその通りには行かないという
奥深さがあります。
今回のように懸念が強かった丸太、
挽いて駄目なら断り別な方法を検討していただこうと心配していたものが
いい結果だったっていうのが、この製材の最大の魅力ですかねぇ
もう一本15尺の桁も
挽いたのですが、5m程度なら何ら問題なし、
3面役の良いものが取れました。
杢は通常の板目杢でしたが。
自分でいうのも何ですが、
長尺の桁でこれなら100点以上でしょう。
(滅多にないいい結果だったのです)

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