MUKU-DATA  クラロウォルナット瘤 製材 10/3 AM

クラロの瘤、とは言っても極上の瘤の部分は突板屋さんが先に製材して
その残りの部分の塊を製材した。
良い部分が抜かれている残り物なので当然仕入れ単価は安いが、
それでもこの塊2つを何とかいい形に製材したくて
数日前から何度も眺め、どう製材しようかとシミュレーションしていた。
実際に少し鋸を入れて挽き肌をみないと
どちら側からどう挽こうか判断できないのだが、
挽いてこっちが駄目なら、この形へ
その形で挽くのが上手くなければ、部材取り用に・・
何パターンかの製材方法を想定して、実際に製材に取りかかる。

製材機のスイッチをONにして徐々に高速回転する帯鋸の音
ローからハイへ加速しMAXに達する。
帯鋸に腕が触れれば当然、切り取られて死んでしまう可能性も高い。
丸太を動かし帯鋸に当たると、いよいよ製材の始まりとなる。

大鋸屑をまき散らしながら大きな製材の音と共に挽き肌が現れてくる。
この時、製材師は勿論、近くで手伝いをする人、見ている人など
通常の精神状態とは違い、気持ちは昂っている。
あの音と鋸、凄いパワーで製材される丸太・・・そして危険⚠
その瞬間、人は危険を感じながら最新の注意を鋸と挽き肌に集中している。

もう始まってしまった製材に、待ったなしにどう製材するのか決断を迫られる。
ゆっくりと考えている間もなく瞬時にこっち、あっちからと決断し製材していく。
それが間違っていることもあるし、思わぬものが挽ける事もある。
製材前までのシミュレーションは何だったのか?というくらいに
一瞬で事は過ぎ去っていく。
日常の中で、あの危険と背中合わせで気持ちが昂る感覚は
仕事では製材時、遊びではオートバイ、似ている感覚。
あの瞬間の研ぎ澄まされた感覚、判断は日々の積み重ねの上で出来ていく。
気を抜けばと大怪我、、慣れて舐めて取りかかると死亡という結果が待っている。



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