MUKU-DATA  外壁の補修工事  


こちらのお宅は築40年ほどの木造住宅で外壁の殆どは木の下見板が張ってあり
玄関廻りの一部だけ木摺り下地のモルタル仕上げとなっています。
数十年前に入ったクラックを心配して
施主さん自らコーキングでシールしていたのですが、
躯体内部の浸水等の心配もあり直して欲しいとの事で
左官屋さん、塗装屋さんへ工事をお願いしました。

木の外壁部分の補修は約10年ほど前に行っており、
桧の縦張りで本実が貼ってあるのですが、目地部分の隙間が気になり
ガリバリュウム鋼板、タイル調窯業系サイディング等を検討されていたのですが
今の佇まいを損ねたくないとの事で、目地部分の隙間に縦押し縁を打ち付けて
和の外観をそのまま残して補修してあります。


今回は木部以外の工事で、小規模な補修工事ですが
各々のプロの職人さんたちにの仕事を見させていただきながら
なるほどねぇ・・と思う事がたくさんありました。
皆さんお忙しいであろう中で時間を割いていただき
どうしたら違和感なく良くなるかと補修している姿には心打たれます。

とかくありがちな、色が変わるからとか、補修痕が出てしまうからと
木以外のモルタル部分は全てやり替え・・のパターン・・
そうではなく、必要な箇所に必要な最小限の処置をする。
以前にもここで何度か書いていたかと思いますが、
木下見の家で、劣化した木の部分を数枚だけ張り替えてあり
その数枚だけが真新しい状態なので直ぐに補修したと分かる家を時々目にしますが
そんな一部分のみ補修された木の外壁を見て感じるのは
あぁ・・ここにお住いの方は無駄な事はせずに物を大切にされているんだなぁ・・と
お会いした事もないのにそこに暮らす方のお人柄まで見えてくるような気持ちになります。

まだ痛んでいなくて残せる部分は残して補修して使う。
家以外でも似たような場面、同じような事が言えるのではないかなぁと
思ったりします。
今、流行りのSDなんちゃらって
まずは身近なそういったことからなのではなかろうか・・・と。

こうした部分補修が可能というのも、
プロの職人さんの技術と更に良くしたいという気持ちがあってこそ
成り立っている事とも言えるでしょう。



コーキングされてあった部分を剥がして
モルタル補修を行う。



数日期間をおき、昨日塗装屋さんが吹き付け塗装
施主さんはモルタルの補修痕が出ても問題ないと言っていただいていたが
塗装屋さんは吹き付けてなるべく補修痕が出ない仕上げ方法を選択
方法に関しては施主さんも塗装屋さんにお任せとなった。


下地シーラー処理を行い、、、



吹き付け開始
吹き付け方も、一定ではなく仕上がった際になるべく違和感なく見えるように
まだらに必要箇所を見ながら調整して吹き付けていた。



吹き付け直後は既存と同じ色で凄いなぁと感心していたが
乾くと色が少し濃くなるそうで
30分ほどして少し乾いてきたら
再度、既存の色と新たに吹き付けた色を見ながら
白の塗料を入れながら色を薄く調合し
再度2度目の吹き付けで仕上げるという作業でした。




夕方、乾いた状態を確認しにいきましたが
何も知らずに意識していなければ殆どの人はこの補修に気づかないんだろうなぁ・・
という感じになっていました。