MUKU-DATA  神代欅  6/16(木) 

随分前に(10年以上前)、事務所でお客さんと話している時に
「面白いよね、今の木材って山から来ないで海から来るんだねぇ~・・」って
言われた事があったが、
単純にそう思って言われたのか?外材に対しての皮肉だったのか?
もしかして深い意味合い、問題提起をされていたのかもしれないが
まぁ木は山にあるもので、アメリカの山林で伐採された米松丸太を
船でわざわざコストをかけて港にあげ、そして陸送して運ばれてくること・・
オカシイといえば可笑しな話かもしれない。
曾爺さんの頃は、近くの山の立木を買って持ってきたと聞いているので
普通に考えればそうだよねって思う。
昨今のウッドショックやウクライナ侵攻問題で外材の急騰、
否応なく国産材へシフトされている傾向にあるし
曾爺さんは空から、ほら見ろって思っているのかもしれない。。

そうそう、
外材の話ではなく、木が川から引き上がられた埋れ木。。
昨日、川から引き上げられる巨木の現場に立ち会わせもらった。
普段木材倉庫でも取り扱う「神代木」であるが
新潟では神代木の多くは河原、河川敷辺りで出土される。
これはどこどこの川、これはあそこの川みたいに。。

過去には田圃を数反を買い、神代木を引上げていた方もいた。
その方の話では確か地下10mほどの付近と言っていたかと記憶するが
一定の深さに、まとまって欅や栗、栓、楢と多くの材種の埋れ木が出てきたらしい。

大きなクレーン2台で引き上がる作業の現場は初めて見た。
聞けば7年ほど前から、この川で少しだけ姿を現してきたらしく
この場所に長く埋もれていたのか、何百年も前にこの地へ流されてきて
そのまま埋もれてしまっていたのか・・?
この木のみぞ知るである。
過去に何度かこの巨木を引き上げようと試みた人もあったようだが
その大きさに断念したと聞いている。

長さは聞きそびれたが、きっと18m前後はあったのかと思う。
トレーラーに積載できる最長12mにチェーンソーで切っていて
末3m前後、元2mほどをカットしていたのでそれ位の長さになるのかと思う。

引き上げる前の下準備の際には枝部分をカットして茶神代欅だと言われていたが
昨日伐られた木口を見るとキレイなグリーン色をしていたので
色は良いのではと思われる。

過去に神代木で12mの長尺丸太のままってあったのだろうか・・
(私の知る限りでは12mのまま残した神代丸太は過去最長となる。)

引き上がられた姿は、まさに畏敬の念を感じずにはいられないほどに
辺り一帯にオーラを漂わせていた。
いったいどれ位の時間を旅して、ここに辿り着き、引き上がられたのだろうか・・

長い時を経て、今度は製材され、形を変えて人に触れられる物へと
姿を変えていくのかと思うと何とも言えない気持ちになってくる。
(カミサマ永い間、大変ご苦労様でございました・・)

近々新潟県森林組合連合会の共販市場で競りにかけられるとの事なので
カミサマ級のこの埋れ木、
神代欅12mにご興味ある方は市日等に関して問合せしてみると宜しいかと思います。
→ 新潟県森林組合連合会

追記:早速HPで掲載されてありましたね、、
   12mではなく 「神代欅 11m φ140cm」だそうです。 

更に追記: (6/17 17:20)
早速この神代欅、カミサマの為の競りの日が決まったようです。
6/27(月) 13:00 ~ 新潟木材共販市場 にて





川から出ていた部分には草木が生えている。



高圧洗浄機でカットする部分の砂利や泥を落としていた。


まずは15m付近のY字になっている枝分かれ部分をカット


蟹が驚いているガニぃ~
ヤドカリらしきもいたし、、
作業している方、優しいんだねぇ・・ 何匹も捕まえて川に逃がしていた。




高圧洗浄機が届かないのでクレーン2台を使いながら元裏を回転させていた。
2台でそんな事できるんだねぇ~ 





チェーンソーから出る大鋸屑は初めて通常の欅色、
少し空気に触れるとこの神代欅の色の緑色に変色していくのは神代木ならでは。


神代欅を引上げてトレーラーに積込み作業
荷台に置いた際は、ん?何か鈍い音が・・・  重すぎる・・
再度引上げ、荷台に鉄板を敷き込んでから載せていた。

この部分でもかなり良いものが挽けそうです。




カミサマはその後、無事に新潟共販市場へ運ばれ
土場に鎮座しているそうです。


追記:競り売り日が急遽、決まったようです。
  ※ 6/ 27(月)13:00~ 新潟木材共販市場にて