建築家(金子勉さん)設計の家の材料を図面をみて手配しています。
リビングの大きな開口の一部に135mmΦ丸太があります。


材木屋は丸太というと
杉の磨き丸太、絞り丸太、ちょっと捻って桧の錆丸太、赤松の皮付き丸太、
更に考えて、ムロ変木、良母変木、椿皮付き・・・・
しかし、このお宅は和風ではないので
じゃあピーラーの削り丸太?なんて考えたりします。

■ MUKU-DATA 化粧丸太

当初、この部屋には 錆丸太がいいのではないだろうか?と思っていました。
今一、しっくりとしないので再度金子さんに電話で意図する事を確認します。
丸太ではなくて、角でもいいのではないだろうかと。。。
丸太より角の方が断然材種も豊富でここに合う柱が見つけられるのでは?
返答はこうでした。
①丸太にしたのは、デザインのみではなくそこに135mmx135mmの□角の柱が立っていると
135mmの対角線は200mm弱になるのでこの部屋のバランスとしては大き過ぎるので
どこから見ても135mm位で見えるように丸太にしたとの事。

へぇ~ そうなんだぁ~ と妙に感心して聞いていました。

②磨き丸太や錆丸太等は床の間など和室部材としてのイメージが出来上がっているので
それをその場所に使用する事によりその周辺の空間にイメージが出来てしまうから駄目。

はぁ・・・  なるほどねぇ~  そう考えますかぁ・・・

③より自然に佇んでいる感じで素材感のあるものでお願いします。
こんな感じという添付写真も送られてきました。

そこでセレクトさせていただいたものがこの山桜だったという訳です。
3m 150x150mm角です。
角のこの木を大工さんに納めました。


これがどうなったかというと   

大工さん「ちょうな」でハツっていました。

「慣れない事やって足大丈夫?」
って聞いたら

「何や、ばかぁ 昔は太鼓梁仕上げるのによくやってたんだわや」(以前は頻繁にやっていた)
と言ってました。

 MUKU-DATA  桜角 ちょうな凸凹なぐり仕上げ? 

とこんな感じに仕上がっていました。
建築家の意図する事をよく聞いて理解し、材木屋が材料をセレクトして、大工さんが魂を込めて仕上げた・・・
といったところでしょうか?

何かとても大変そうに見えますが、
大工さんの加工も半日も要していませんし・・・
意図がわかればそう難しい事ではありません。

正直、材木屋の立場からすると桜の150角を135mmに削り落すと
いうのは少々もったいないという感じはしますが
それでは、このような柱は生まれてこなかった訳ですしね。
とてもいい感じになりました。

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