MUKU-DATA  ナーラ 正角 再割り製材

ストックする材木類を見ながら
これはあそこに使うと面白そう、この曲りはあの部分へ・・
この材のこの癖のある部分を木取りして使うと全体が良く見えるだろう・・などなど
日常、木材を見ながら思考する事は当たり前になっている。
但し、住宅や店舗などの建築用材として限定的な見方になっている。

建築用木材を想定してずっとやってきたので
どうしても「建築の中での木材」を切り離して考える事はできない。。
当初、この材を入手した際も、やはり想定は建築用、室内の何かにと
考えていた。(関連:ナーラ材 芯去り正角

しかしここ数年、想定以外の建築関係以外の要望をいただく事も多くなった。
今回も楽器の一部として使用するとの事。

ずっと建築と共に材木を扱ってきたので建築用木材としての
独自の癖がついている。
例えば、大きな材はそのままなるべく無駄のないように。。。
大きな材を切り刻み小さくするのは勿体ない。。。
みたいな・・製材所、大工さんから叩き込まれた無駄のない使い方みたいな常識

ところが作るものによってはそれが良い訳ではなく
大きな材から歩留まりは悪くても良い部材を切り取ったりすることも多い。

今回のナーラも然り
厚みを4等分して長さを4分割してからの納品となった。
多くの床柱屋さんなんかは、例えば黒檀なんて1本30万、40万と
最も高価な材の一つであったが、
多くの唐木類の床柱は細かく切り刻まれ、ナイフの柄や箸、木軸ペンへと姿を変えていった。

時代が変わり、床柱としての最高峰に位置した黒檀の需要はなくなり
細かな部材としての用途へと変わっていった。

ここ数年、そういった想定した事以外で材木の需要をいただく機会が増えてきた。
それはそれで都度勉強になっているし刺激をいただいている。