MUKU-DATA  約40cm  

数年前、、3~4年前だったと思うが、巾広で短材(500×800mm程度)の
黒檀とインドローズの同じ大きさの板2枚を立掛けておいたら
ご購入いただき、何に使うのか気になったので聞いてみると
好きな作家さんにお盆を彫って貰うと言われていた。
黒檀かぁ・・ 硬いよねぇ・・
ローズは彫るのはどうなんだろう?重いよねぇ・・
刳り物にはこれらの材ってどうなんだろう・・・?
作家さん、嫌がるのかなぁ・・?
なんてお話していた記憶がある。
先週末、先ずは黒檀のお盆が出来上がったので見てくださいよ~って電話をもらい
事務所へ黒檀のお盆を持ってきてくれた。
全て手彫りだと聞いている。
この黒檀をこうやって彫るのはきっと何日かかるだろうから・・
手間代としてはいくら位かなぁ・・と考えてしまうのは
商人の悲しい性か・・
かかった費用は云十万ほどですかねぇ?
と聞いてみると思ったほどでもない。
黒檀の板からこの形に刳り貫き完成するまでに使った時間からすれば
安過ぎるのではないかと思う。
しかし、今日日、お盆にそれだけのお金を払える人はどれ位いるであろうか?
とも思う。
これは間違いなく100年、200年、
落して壊さない限り、何百年も使えるものかとも思う。

超絶技巧な繊細な細工も好きではあるが、
やはり自分は使えるもの、丈夫なもの、次の世代からまた次へと
長く強く使えるものに最近、惹かれている。
年を取ったせいかもしれない。。。

この作家さんの手彫りの風合いは私も好きで
何点か持っているし使っている。
木製品は使い込むほどに時代がのって味わいが増し、自分用の物へと深化する。
一度お会いして少しお話したが
作るものとお人柄がマッチしている。
作品にはやはり人柄が出てくるものかと思う。
山の奥の工房で大きなムカデ共に静かに暮らしているとかどうとか・・
いつか栗の板で、30cm~40cm位の普段使いできるお盆を彫っていただきたと
思っている。。








こちらの黒いお盆は栗を鉄媒染で黒く染めたもの
(漆塗りのこれより大きなお盆は木材倉庫で普段使いしている)
ぐい吞みは根来塗り、もっと使う事で重ねた漆の黒が出てくるだろう。