■ MUKU-DATA 床:桧 節あり108x15mm 新潟市秋葉区T様
1月の地震で建物が少し傾き、床の傾斜を緩和する工事を行った。
基礎から直すには予算がかかり過ぎるので
既存のフローリングの上に段差調整しながら下地を整えてから
新たに縁甲板を張る作業となった。
真壁造りの和室は敷居が廊下面より50mm程度高くなっている事が多いので
この段差を利用して出来る範囲で下地調整を行い仕上げ床を張った。
既存で張られていた床材は過去にこういった和風廊下に多用された
突板柾目のフローリング
突板を張った合板部分が経年劣化で剥離して
歩行の際にふにゃふにゃする箇所が生じてくる。
これは地震とは関係なくてそろそろ合板の寿命、張替え時のサインでもある。
一部既存床を剥がして下地に問題ない事を確認後、増し張りを行う。
今度は合板の剥離がないように無垢のフローリングをお勧めした。
既存の玄関屋根は入母屋セイガイ造り、玄関の天井は突板ではあるが
格天井が貼られてあるのでその佇まいから本来は松等の無垢の縁甲板が
望ましいのだろうが、なかなか手頃な縁甲板も少ないことから
桧の節あり、半艶のウレタン塗装品を使う事になった。
無塗装の方が一層全体の雰囲気に馴染むのかとは思うが
メンテナンス等を考えるとウレタン塗装の方が手間いらず
ご年配の方は特にウレタン塗装を選ばれる事も多い。
廊下の張替えでは時々使っている桧のウレタン塗装済みフローリングでもある。
和室真壁から大壁へ、また畳間をフローリングへの張替えは
よくあるリフォーム工事のパターンではあるが
ここでは一度リフォームされて大壁風になっていた玄関廻りを
既存の佇まいから再度、腰板など使い、玄関廻りの全体の雰囲気に合うように
真壁へ戻すリフォームとした。
この壁面に腰板を使うだけで、随分と和風の風格が出てくるものだと
改めて素材の持っているイメージや力を感じた。
リフォーム工事中に気になっていた青いタイル
当時の建物で、玄関式台の下の立上り部分にポイントして青のタイルを入れるって、なかなか目にしないよなぁ・・
玄関袖壁の一部にも差し色として同じ青のタイルが使われている。
これ作った人、ちょっとした遊び心があったんだろうなぁ・・
キレイな青だなぁ・・と思って聞いてみたら
ご主人の先代がタイル職人だったそうで。。
なるほどなぁ・・・
before
after