MUKU-DATA  玄関式台・置台:神代杉

全てはオーナーさんと材の相談をして材を選び組合せ配置をおこなった。
長く使われていなかった空き家をなるべく現状を維持しつつ改修工事のお手伝いをさせていただいた。
書類には残してはいないが、毎日のやりとりの中で好きそうな材を選択し、
選んでいただく作業を繰り返した。
使用された全ての箇所の材について、どういう経緯でそれを選びそこに使ったのか?
どちらがいいか迷った末の選択など、何故その材を選んだのか?など
全てに説明が付く材の選定となった。
(まぁ、当たり前と言えば当たり前な事かもしれないが)
弊社の木材倉庫の展示室を木で造作をする際に、何故にそれをそこに使ったのか?と同じ位に今回は掘り下げて考えることができた。
ある程度、任せていただけたこととやりとりの中で信頼関係を築けたこと、
作りたい空間のイメージが近かったこと・・などが主な要因かと思う。

今回、お客様とのやりとりの中で気づいたことは「
古民家というと渋めの色合いを連想するが、
太鼓張り障子の白さが全体のこの室内の清澄感を演出しているという事がわかった。
とかくこげ茶に着色しがちだが、普通は古民家では漆喰壁以外にはありえない「白」をバランスよく配置することで
ありがちな古民家とか違った見え方になってくるものだなぁ・・とオーナーさんのセンスを感じた。

あとは強弱をつけて材を使う事かと思う。
残すべきところは残す。古い材で良いものは再利用、
要な部分は思い切って良い材を使ってみる。
例えば、この縁側に杉の節ありフローリングで古色着色など安易に考えて施工したら
一気に興冷めしてしまうことになりかねない。。。