MUKU-DATA  土壁の古民家 

材木屋になりたての頃(1991年~頃)は、
大工さんは冬場に春に建てる家の構造材を刻み加工して、
春、一斉に上棟が始まる。
上棟後は屋根屋さん、そして左官屋さんの木舞掻きの後に荒壁塗りが行われる。
その期間、大工さんは一旦現場を離れ、
サッシを取付ける為の外部の鴨居敷居加工、霧除け加工、造作材加工など行われ
荒壁塗りを終え少し乾き始めるとまた現場を入ってくるという流れだったかと思う。
2000年近くになって構造材の刻み加工はプレカットに変わりはじめ、
いつの間に土壁造りの家も目にする機会がなくなった。

ある程度の年代になってから(コンビニ弁当やスーパーの総菜が食べれなくなった頃と同時に)
土壁造りの室内での居心地の良さを全身で感じるように変わってくる。

塗り壁、畳、障子、そして木材、それから大工技術、・・・
自然素材と心を込めて人の手で作られたものは、
ほんとうに身体に優しく人に馴染むものだと感じる。