MUKU-DATA  栗六角ナグリ中曲がり

今朝事務所に来たら、床柱に使用した六角ナグリの切れ端を大工さんが持ってきてくれました。
そこの現場はまだ見ていないのですが、
建築家設計のお宅で床(とこ)は屋敷に敷いてあった石を割って磨いてもらい敷きこんだと聞いています。
床柱を何にするか随分とお施主様が考えていたようで
現物をみたり銘木図鑑をみながら銘木屋さんを交えてあれこれと材の選択の相談させていただきました。
香節、椿、など床の背景色と被るので×、ムロ、赤松、良母、百日紅、なども艶々し過ぎてシックリせず、
栗に一加工施したナグリ加工とし、更にもう一捻り中曲がり(中曲がりというより腰曲がり、中間より下の方が曲がっている)を選定しました。
はじめての発注だったのですが、
芯持ちだと割れる可能性があるとの事で、芯去り材を用いるようで、曲がり加減はお施主様と考えこれくらいと指定しました。
より自然な曲線を作り出すのはその名栗加工の職人さんのセンスかと思います。
ひと手間かけて、更にもうひと手間。

タイミングがなく床柱で納品された状態を見逃しましたし、まだ現場も見れていませんが
お施主様と方向をみながら取り付けると言っていましたので
きっとイメージ通りにいったかと思われます。

栗の平割板にひと手間をかける事で心に響く素材へ変化する。
その昔、はじめにこのナグリをやってみた職人さんは凄いですよね。

なぐり加工というと燕喜館の板塀が思い出されます。2012春撮影

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