MUKU-DATA  アパ 1900 650~800 t60mm  耳加工中

樹皮と辺材の白太部分がかなり傷んでいたアパの一枚板
木材倉庫では、ほぼ乾いた一枚板に一旦プレナー掛け等を行い材面の様子がわかるようにして立て掛けてあり、
そこでまだ仕上がっていない半製品の板を見ていただき、
決定後に長さ、仕上げ方法(例えば今回のように耳の部分)、塗装の種類など
決めていくわけですが、
今回のアパも一部白太部分に痛みがありそこをどうするか?の相談が主でした。

両側の樹皮の部分を残す場合は、「両耳残し」などと言い、
両側の耳の部分を落すのは「ストレートカット」などと言っています。
カウンターやデスクなど奥の面が壁に面する際は、
奥の耳を落して手前を残す「片耳残し」というパターンもあります。

お客さんと相談した耳の仕上げ方を良く把握して、それを加工屋さんへ現物を見ながらこのように加工してくださいと伝える訳ですが、
例えば、防音など音の大きさの感じ方はそれぞれ人によって違うように、
壊れた耳部分を、より自然な形で仕上げ直したその見え方も、
人それぞれの受け止め方となってしまいます。
あまりキレイ過ぎるほどに耳を磨いてしまうと、どこか工業製品みたいに見えたり
樹皮部分を多く残し過ぎると凸凹し過ぎている・・と感じる方もいるかと思います。
この辺は、自然なものへ手を加える、手術して壊れた部分を再生させる訳なので
若干の感覚的な違いで見え方も違ってしまうかと思います。

加工屋さんへ伝えた事がちゃんと伝わっているかなぁ・・と
加工中の作業場へ状態を耳の状態を確認してきました。