MUKU-DATA  ミズキ(水木) 

「水草の木らて、おめさん、わかんねんかねぇ~、しーれ木らわね、
ほら、ダンゴサシの木、小正月に餅刺して飾るろがねぇ、あれらて」

(「水草の木って言うだよ、あなた知らなかった?白い木なんだよ、
あの、ダンゴサシの木、小正月に餅を刺して飾るでしょ、あの木だよ」)

五泉の工務店さんに伺った際に、枝を落し過ぎ枯れて伐る事にしたので
持っていって欲しいとの事。
材木屋になって20年以上になるが、まだまだわからない木の方が多い。(特に立木の状態は)

大工さんいわく、小正月に飾られるまゆ飾りやコケシの材料、
また上棟の際の幣束や棟札、真壁の通し貫の楔、
樹皮を剥がした自然な凹凸の風情から床柱にも使った事があるそうです。

帰って「水草の木」って検索しても出て来ず、
「コケシの材種」で出てきた、水木(ミズキ)!
この木、枝を伐ると滴り落ちるほど水が出てくる事からその名がついたようですが、
水木を使い、水が家族の繁栄と火災から家を守るという縁担ぎ、おまじない的に使われていた事は
昔の大工さんは、なんかいいなぁ~って思う。
ここら辺でも、槐は魔除けの意味合いで庭先に植えてあったり、床柱にしたり、
また県北の方は欅は床柱に使うといけない(火事の原因)と耳にした事もあります。
それぞれの地域で何か理由があるのでしょうね。
現代の住まいにも、そのようなお呪い的な木の使い方を復活させるのもいいのかもしれません。

この水木、挽いた事はありませんが、どのような白い顔を見せるのか楽しみですし、
何か、「水」に因んだ使い方ができればと思っています。

水木に関する参考サイト⇒月刊杉WEB版(ミズキの語源方言の数の多さに驚きです。)
           ⇒氷の山の植物誌(鹿による樹皮剥ぎが枯れない事が興味深い)

コメントを残す