MUKU-DATA  流木の鳥 

先日雑貨屋へ行ったら流木、実際は流木ではなく長い年月で白太が朽ちて無くなり
赤身の硬い部分だけが残った木の根、枝が分かれる部分かもしれない、
その朽ちてガサガサと残った部分を胴体と羽根に見立てて首から先の頭部が形作られ
鳥の置物として作られたインテリア雑貨があったので
価格も手頃だったので購入した。

材木として木取り製材される前の自然のままの部分が残っているもの
長い年月で朽ちかけてたそのままの形
丸太を板挽きして乾いていく過程で自然の捩れたり反ったり割れたりする
木の当たり前の特性・・
それらの形や現象を見ていると
完成されて作られた木製品よりも力強く心に刺さってくるものがある事は
常々木を扱っていて感じていること。

通常製材所は、木を使って作る人の為に作り易いように丸太から必要部材を
製材して材木、部材として適材にしてから次へ渡す為の役割がある。
建築であれば、梁や桁、柱、タルキ等
木の器であれば、150角厚み60mmとか、作るものに合せた指定されたサイズを木取りする。
木製品には全てそれを作る為に分増しして製材する必要サイズがある。

そして必要とされるものが取れない部位が写真のようなものや
一般的にはダメージ材と言われる材などである。

どういう訳か、人が扱い辛いそういったダメージ材には
ちょくちょくとここの部分イイよなぁ・・・
ここはこの木の肝だったんだろうねぇ・・
みたいに思う事が多い。(と私自身は思っているが多くの材木屋からは
何を言ってんだと笑われそう)

数年前にSNS上に流れてきた水田典寿さんが創り出すものは
まさにそういった材をプラスに活かして独特な世界観を作り出していて
初めて目にした時に、これこれ!と胸が高まった。
流木等のある部分を活かして一部に細かな彫刻が施されている。
SNS上に流れてくると面白いと思い見入ってしまう。
(→ インスタグラム 水田典寿さん)

この鳥は水田さんの作品では当然ないのだけれども
きっと、こういった材を見て同じように思う人は少なからず居るのかと思う。
木材倉庫には過去、木の木目模様や捩れなどの特性を活かして
そこで絵を描きたいと木を探しにきた人が何人かいた。

一枚、一本違う個性の塊の木を見ていると
どこか刺激されてソワソワしてくる事がある。
木はきっと創造力を刺激してくれる素材なのかと思う。
何百年も自然の中で生きてきたからきっとパワーを貯め込んでいるのだろう。

そのように木の力を利用させてもらって
今まで見たこともなかったもの、想像を絶するものを
是非作って欲しいと思う。