■ MUKU-DATA 蓮神代杉 2.2m
人の顔がみんな違っているように木にもそれぞれに個性がある。
仕事上がりに予定がない時は事務所脇の小さめの材を保管している部屋で
音楽を聴きながら一日を反省し明日の予定、これからの事を考える。
無意識に視線はそこに置かれている材木たちへと向かう。
この木はどこで使われるのがいいんだろうか・・と。
代々建築系木材を扱ってきたし、自分自身も家業を継いでから
「建築の中で使われる材木」に拘って生きてきた。
若い頃は多くの建築雑誌、インテリア雑誌など見ながら
その中で使われている「材木」を中心に、知ならい材木があると
雑誌にマジックで〇を囲み、一通り分かるまで調べていた。
最近は建築系材木とは違ったジャンルのギターであったりビリヤードだったり、
ペンだったり、アート系だったりと様々な木を扱う方々から
お問合せをいただくが、
なんと言っても「建築の中で使われる材木」が身に沁みついて離れない。
(いい意味で脱皮する事で新たな視点もできるであろうと思ってはいるが
長年のライフワークでもある「木と建築」は切っても切れない身体の一部になってしまっている)
昨夜もこの蓮の神代杉を眺めていた。
まずサイズ感から用途を探ったり、自分だったら何にしようと想像する。
見て、別な事を考えて、また目に入る。。
材木に囲まれている環境は、「木」から逃れられる事はできない(苦笑)
材木は実務的な用途以外にもう一つ別な側面を持っている。
それが木から放たれるオーラのようなもの・・
それぞれの木が持っている個性かと思う。
この蓮の神代杉はやはり何度見てもその佇まいが美しい。
端正な佇まいといおうか・・
そして静かな音が流れているように感じる。
この感じを最大限活かして使うには、どういった場所に
どんな仕上げで取り付けたらいいだろうか・・と想像は更に発展していく。
サイズや用途だけに囚われてしまうと
本当の木の良さである個性は半減・・どころか、ほぼ無くなってしまうだろう。
それは人にもあてはまるかと思う。