MUKU-DATA  越後舟板(新潟市南区)  SOLD OUT
左:2100 570 t32mm 熱海市 A様
右:2100 530 t27mm 新潟県 N様
配達途中に舟板があったぞと電話を貰う。
急遽、引取りに向かいレスキュー、、
今回はチギリも多くサッパ釘(舟釘)も何カ所かに打ち付けられ
何度も補修しながら大切に使ってきた跡が随所にみえるもの。
その昔、木、材木はとても高価で貴重なものだったんだろう。
柱類よりも板挽き類は板材にするまでに相当に労力を使ったことが想像できる。
製材機なんて当然なかっただろうからきっと木挽きして板にしていたんだろう。。
舟は生活するには必要な道具、
村には船大工がいたことだろうし、器用な人は自分で補修していたのかもしれない。
現代でいうところの車みたいなもんで、
船大工は町の自動車修理工場といったところだったのかと思う。
木の舟が使われなくなってこれまでどれだけ多くの古舟板が廃棄処分されてきたことだろう。。
時々数寄屋建築の一部、和食店の店舗など使われているのを目にするし、
長浜の舟板塀とかもそうだけど
使われなくなった古い舟板を再活用した大工さんは凄いと思う。
数年前に関西の古着屋さんの店舗へ納めたこともあったが、
そこの社長の原点は若い頃舟で海外へ古着の買い付けにいったということから
「舟」に対する思い入れが大きいと聞いた。
今があるのは過去からの継承、積み重ねの上に今が成り立っているかと思う。
こうして何度も何度も補修し大切に使われてきた道具を目にすると
(私の場合は材木屋なので、木材、材、材木に焦点を絞っているが)
過去から受け継いできた体内DNAのどこかに触れ、響くようで、
放って素通りできずにいる。

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